68030搭載機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 21:17 UTC 版)
「Atari ST」の記事における「68030搭載機」の解説
1990年にAtariはハイエンドのワークステーション指向のTT(32Mhzの68030ベースのTT030)をリリースした。元々は68020 CPUを搭載する計画だったTTはグラフィックを改善し、より強力なチップをサポートしていた。ケースはハードディスクドライブを内蔵する新設計だった。 最後のSTはマルチメディアのFalconだった。これも68030ベースであり16MHzで動作したが、ビデオモードが改善され、広範囲に渡ってカスタムチップ化された。音楽用としてヨーロッパでデファクトスタンダードとなったSTを継承するべくオーディオ用にモトローラのDSP56001も採用され多チャンネルオーディオの録音再生が可能な設計だった。しかし、オンボードのインプットはマイク入力のみでライン入力にはアッテネーターが必要、さらには44.1kHzや48kHzといった標準的な周波数がそのままでは使えない、など、非常に詰が甘く、普及に至らなかった。68030マイクロプロセッサは32bitのメモリを利用可能だったが、Falconはパフォーマンスに影響するもののコスト削減効果のある16bitバスを採用した。またSTEによく似た安価なケースで出荷された。そのためFalconをデスクトップやラックマウントケースに収められる、キーボード分離式のアップグレードキットが多数入手可能だった。 1992年にリリースした翌年には製造中止となった。ヨーロッパではC-LabがFalconの設計ライセンスをAtariから得て、オーディオ回路に若干の変更が加えられた他はほとんどAtariのFalconと同じ"C-Lab Falcom Mk I"、Mk Iに500MBのハードディスクを搭載した"Mk II"、Mk IIのデスクトップ版の"Mk X"がリリースされた。しかしこの頃にはすでにNotator/Logicの権利がE-Magicに移ってしまっており、やはり普及しなかった。
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