5人内野シフトの方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:32 UTC 版)
「シフト (野球)」の記事における「5人内野シフトの方法」の解説
最終回、または延長戦の守備のとき、同点で1点取られたらサヨナラ負けとなる状況で、無死あるいは一死で三塁に走者がいる場合に行う。裏の守備である場合が行いやすいが、どうしても1点を守りたいという場合であれば表の守備や9回、延長戦以外の回の状況でもありうる。 1954年刊行のアル・キャンパニスが著した野球技術書『ドジャースの戦法』の中ではこの外野手を1人内野に移動させる作戦はそれまでの球界の常識を打破する「六人守備」(5人ではなく)として取り上げられ、犠牲バントを行わなければならないような僅差の試合後半、無死走者一塁か同じ状況の走者一塁という状況でしか行われないとしている。また、本書が書かれるより数年前にブランチ・リッキーが考案したものであるため、通常は「リッキー・プレー」と呼ばれているという。このような守備陣形を敷くことによって直面した打者に犠牲バントを行うのを諦めさせ、弱打者であった場合には好機をつかむことになると説明している。一塁手は打者から約9m、一塁線から2m離れた位置に立つ。内野手になった外野手は一塁手の近くに位置するが、三塁線に近く、打者から約9m付近を守る。三塁手は通常の守備位置を取り、遊撃手は二塁近くで守って二塁走者を塁にしばりつけておく。二塁手は一塁と二塁の中間を守り、外野に残った2人の外野手は出来るだけ大きな面積をカバー出来るような守備位置を取る。捕手は通常の位置でプレーを指揮し、投手は打者が打った場合は一塁をカバーしなければならないとしている。 三塁走者の生還を阻止しやすくするため、守備側は満塁策をとる。その後、特にスクイズプレイや内野ゴロを警戒するため、外野手のうち一人が、投手から少し離れた真横付近で強打やバントの警戒に当たる形が多い。ゴロを処理する可能性が高いので、出来るなら前進する外野手は本来内野手である選手に交代させるのが望ましい。 打者に、2人しかいない外野へ打たれるのを防ぐため、投手は速球を低めに投げ込むことが必要となる。外野手は、犠牲フライでもサヨナラ負けの場面では、5人内野シフトの有無に限らず、外野の前に落ちる安打を防ぐべく前進して守る(深い位置でフライを捕っても犠牲フライで得点されて無意味であるため)。
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