24. 辻音楽師 Der Leiermann
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「冬の旅」の記事における「24. 辻音楽師 Der Leiermann」の解説
『ライアー回し』と訳されることも多い。村はずれで1人の年老いた辻音楽師と出会う。虚ろな眼で、ライアー(ハーディ・ガーディ)(手回しオルガン)を凍える指で懸命に回している。聴く者もなく、銭入れの皿も空のまま。しかし周りに関心を示さず、ただ自分ができることを、いつまでも続けている。若者は自分と同じく世界の全てに拒絶されるという境遇に置かれた孤独な人間と出会い、僅かな希望を見出す。『老人よ、お前についていこうか、僕の歌に合わせてライアーを回してくれるかい?』という問いかけで全曲を閉じる。 全曲を通じて空虚五度が、オスティナートとして一貫して演奏される伴奏はライアーの描写であり、レツィタティーフの様式の歌は旅人の独り言である。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウは、「語らないことによって多くを語る音楽である」と解説している。またフィッシャー=ディースカウはこれに関連して、「これに類似する音楽は、世界中を探しても、恐らく日本の能楽以外にはないのではないか」と述べている。ジェラルド・ムーアは「この曲の偉大さを認めながらもその理由を説明することができないという点において奇跡であり、シューベルトの魔術の最高例」と評している。リチャード・カペルは「何度考えても、最後の歌がこのようなものであろうとは誰も考えなかったであろう」と語っている。 ジェラルド・ムーアは最後のフレーズに続く伴奏の の指示(第58小節)について「認めがたく、不適切であり、程度が増せばますほど嘆かわしい」と述べている。ブラームスは作品113の『13のカノン』第13曲「もの憂い恋のうらみ(Einförmig ist der Liebe Gram)」(作詞:リュッケルト)にこの曲のメロディを使っている。
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