2017年横浜市長選
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任期満了に伴う2017年横浜市長選挙(7月16日告示、30日投開票)では、そもそも現職の林文子が2009年の市長選で旧民主党推薦で初当選した経緯があったが、民進党代表代行の江田憲司が2016年12月9日の定例記者会見で「仮に現横浜市長がカジノ誘致を推進されるのであれば、市長を変えていかなければいけない」と発言してカジノ誘致に反対する対抗馬の擁立を模索した。共産党は市民団体「市民の市長をつくる会」と独自候補の擁立を調整する一方、国政での共闘を持ち込んでカジノ誘致反対で共闘することを模索した。2017年に入り、元民主党衆議院議員の長島一由がカジノ誘致反対を掲げて1月11日に出馬表明したものの、民進党内の林市政評価論と対抗馬擁立論、共産党の独自候補擁立作業と共闘模索という構図に変化はなかった。 林は6月6日に3選出馬を表明して自民党・公明党・民進党・連合神奈川などに推薦を依頼し、自民党は同日、公明党は9日、連合神奈川は15日にそれぞれ推薦を出した。一方、旧維新の党出身で民進党横浜市議の伊藤大貴も対抗馬擁立を目指す江田の誘いに応じる形で民進党に推薦を依頼したため、民進党は9日に横浜市総支部協議会総会、11日に神奈川県連常任幹事会をそれぞれ開いて対応を協議したが、林を推す旧民主党系市議と伊藤を推す旧維新の党系市議との間で折り合いがつかず自主投票とすることを決めた。共産党と市民の市長をつくる会は独自候補擁立を見送って伊藤の支援検討を本格化させ、「市民連合橫浜☆ミナカナ」などの市民団体も伊藤を支援する方針となった。伊藤はカジノ誘致反対や中学校給食実現などを掲げて20日に出馬表明し、「横浜市政を考える市民懇談会」が発表した「市長候補に求める基本政策」に30日付で合意するなど、市民団体と連携した支持層の拡大を図ったが、カジノ誘致反対で主張が共通する長島との候補者一本化調整は進まなかった。 7月7日には共産党、12日には自由党がそれぞれ伊藤の自主的支援を決定し、選挙戦では伊藤陣営の選対本部最高顧問となった江田や同本部長となった真山勇一らが伊藤の応援に入る一方、山尾志桜里や牧山弘恵らが林の応援に入った。選挙の結果、59万8115票を獲得した林が、26万9897票の長島と25万7665票の伊藤を下して3選を果たした。東京新聞は、林がカジノ誘致を「白紙」として争点化を避けたこと、民進党が林を応援するか否かで分裂したこと、市政課題を訴えて戦いたい伊藤と野党共闘を演出したい江田や共産党との間で選挙運動にずれがあったこと、伊藤と長島の候補者一本化調整が進まなかったことなどが対決の構図を曖昧にし、林の圧勝につながったと分析した。
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