2016年のチクシュルーブ・クレーター掘削プロジェクト
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「白亜紀と古第三紀の間の大量絶滅」の記事における「2016年のチクシュルーブ・クレーター掘削プロジェクト」の解説
2016年には科学的掘削プロジェクトによって、チクシュルーブクレーター周囲のピークリング(英語版)と呼ばれる部分の深部から岩石のサンプルが採取された。 このサンプルから、ピークリングを構成する岩石は衝突による圧力でわずか数分で現在の形にまで溶融したと分かった。海底堆積物とは異なり、ピークリングは衝突によって表面まで飛散した地球深部の花崗岩から構成されていた。この地域の水深の浅い海域の海底には硫黄を化合物として含む鉱物である石膏に富んだ岩石が広がっていたが、衝突時に大気中に蒸発してほとんどが残らなかった。さらに、衝突で生じた巨大津波により、ピークリング上には粒子のサイズごとに分離された砂の層が、地球上で知られている中で最大規模の広範囲まで広がって分布していた。 これらの発見は、天体衝突が大量絶滅においてどのような役割を果たしたかを強く裏付けた。衝突した小惑星は、衝撃で周囲の岩石を溶融させ幅190kmのピークリングを形成し、深部の花崗岩を飛散させ、巨大津波を引き起こし、数年以上にわたり大気中に残るほどの大量の岩石や硫黄を大気中に蒸発させるほど巨大なものだった。この世界中に広がったダストや硫黄化合物が破滅的な気候変動を起こし、気温の大きな低下や食滅連鎖の破壊に繋がった。
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