2011年台風12号の被害と状況
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「紀勢本線」の記事における「2011年台風12号の被害と状況」の解説
2011年9月3日に日本に上陸した台風12号は紀伊半島を中心に大雨をもたらし、河川氾濫や土砂崩れが発生するなど大きな被害がでた。紀勢本線で受けた主な被害は以下の通り。 紀伊天満駅 - 那智駅間の那智川橋梁が那智川の増水により一部流失 熊野市駅構内の井戸川橋梁が増水により一部流失 下里駅 - 紀伊浦神駅間の江川橋梁で、土砂流出 周参見駅 - 紀伊日置駅間の第3太間川橋梁で橋脚の土台周辺の土砂が流出 この被害で熊野市駅 - 白浜駅間の約120kmが一時不通になり、バス代行輸送が紀伊田辺駅 - 新宮駅間で9月6日から、熊野市駅 - 新宮駅間で9月7日から行われた。 不通区間のうち、串本駅 - 白浜駅間は同年9月17日、紀伊勝浦駅 - 串本駅間は同年9月26日に運転を再開した。熊野市駅 - 新宮駅間については、井戸川橋梁と新宮駅構内の信号設備の復旧にあわせ、2011年10月11日から運転を再開した。 新宮駅 - 紀伊勝浦駅間については和歌山県が河川改修を検討し、復旧工事をする場合はその川幅にあわせて工事をしなければならないためJR西日本は年内の復旧は難しいとしていたが、和歌山県は橋梁部の河川の拡幅をしないことを決定し、これを受けてJR西日本は残った鉄橋で復旧を進めることになった。2011年9月26日から復旧工事が始まり、同年12月3日に運転を再開した。 一部区間の運転再開後も、白浜駅に留置されていた283系6両1本の床下機器が冠水して故障し、また、那智川橋梁が流失したため新宮駅に381系(スーパーくろしお編成)6両編成2本、283系6両1本が取り残されて車両が不足していることから、283系は11月12日から13日にかけて、381系は同月13日から14日にかけてと、同月19日から20日にかけて、名古屋駅経由で京都総合運転所まで甲種輸送された。鵜殿駅 - 新宮駅間はすでにJR貨物の第2種鉄道事業が廃止されているが、JR東海の協力により搬出が実現した。このほか新宮駅では、105系5本とキハ85系4両編成2本と、キヤ95系3両編成1本が取り残された。紀伊田辺駅 - 紀伊勝浦駅間で普通列車に必要な車両が不足していることから、113系の4両編成や2両編成の2000番台などを急遽ツーマンで運転した。
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