2001年-2003年 景気失速
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「ケルトの虎」の記事における「2001年-2003年 景気失速」の解説
7年にわたる急成長ののち、ケルトの虎の勢いは2002年に急激に失速した。アイルランド経済は世界規模の景気後退に合わせて成長が鈍っていった。 この景気失速は世界中で情報技術 (IT) 産業に対する投資が大幅に削減された影響を受けたものである。IT 産業は1990年代末ごろから過剰に膨らんできたが、IT 関連の市場株価が急落したのである。IT 関連産業はアイルランドにとっても大きな位置を占めており、2002年にはコンピュータ関連で1040億USドルの輸出があった。また2002年にヨーロッパで販売された市販用パッケージソフトの約50%はアイルランドから輸出されたものであった。 口蹄疫やアメリカ同時多発テロによってアメリカやイギリスからの観光客が敬遠したことから、アイルランドの観光、あるいは農業部門に悪影響を及ぼした。またアイルランドの人件費、保険料の上昇や経済競争力の低下から、企業が創業拠点を東ヨーロッパ諸国や中国に移転させていった。さらにユーロの上昇が非ユーロ圏諸国、とくにアメリカやイギリスへの輸出に打撃を与えた。 このころは同時に地球規模で景気が失速した。2002年の4-6月でアメリカ経済の成長率は前年同時期に比べて0.3%にとどまり、この状況を受けて連邦準備制度は経済を刺激しようと11の金利を引き下げた。ヨーロッパでは欧州連合の2002年の成長がほぼ0%となり、ドイツやフランスを始めとする多くの加盟国政府は財政規律を崩し、経済通貨同盟の安定・成長協定を破る大幅な赤字を計上した。 アイルランドでは景気が後退するというほどの影響はなく、経済成長率が鈍化するといった程度に収まり、2003年の末にはアメリカの投資額の水準が戻ったことで景気回復の兆しが見えた。ただ経済評論家からは政府や建設業界よりの経済不均衡、将来の経済成長見通しに対して厳しい批判が寄せられていた。
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