2つの左手のための小品とは? わかりやすく解説

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スクリャービン(スクリアビン):2つの左手のための小品

英語表記/番号出版情報
スクリャービンスクリアビン):2つの左手のための小品2 Pieces pour le main gauche  Op.9作曲年1894年  出版年1895年  初版出版地/出版社: Belaïev 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 前奏曲 嬰ハ短調 "Prelude"3分30秒 No Image
2 夜想曲 変イ長調 "Nocturne"6分30秒 No Image

作品解説

2007年5月 執筆者: 石川 伸幸

 スクリャービンモスクワ音楽院ピアノ時代(1988-1892)、オクターブをつかむことが精一杯と言われるほど小さな手持ち主だった。にもかかわらず同級生らと難曲制覇数をめぐって熾烈な競争続けた。そしてとうとうピアノ弾けないほど右手首を故障してしまった。それが回復するまでの間、左手特訓するとともにピアニストとして挫折感から作曲にも力を注ぐうになる音楽院時代からロシア・ピアノ界の逸材として期待されていたスクリャービンは、《12の練習曲op.8》 にも顕著に現れているように、自身身に付けていた高度なピアノ演奏技術を元とした左手奏法編み出す。それは右手上の運動量要求し広い音域駆け巡る、後に「左手コサック」と呼ばれる独自のピアノ書法で、作曲家スクリャービンの誕生象徴するものとなった
 《左手のための2つの小品op.9》は、当時代表する作品一つである。楽曲自体初期の作品ということもあってロマン派期の調性音楽脱しておらず、「前奏曲夜想曲」という題名からもわかるように中期ロマン派(特にショパン)の影響色濃く受けている。一曲目の前奏曲嬰ハ短調)は三部形式最後に4小節コーダ(このコーダ二曲目の調性変イ長調主和音で終わる)が付く。二曲目の夜想曲変イ長調)も三部形式左手親指が受け持つ、カンタービレ指示与えられ息の長い旋律主題ロマン派的であり、最後変イ長調主和音で終わる。演奏する場合、どちらの曲も左手だけで弾くという困難とともに、各声部明確に聴き分けることが必須であろう




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