1990年ハンガリーグランプリとは? わかりやすく解説

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1990年ハンガリーグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 09:40 UTC 版)

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 1990年ハンガリーグランプリ
レース詳細
日程 1990年シーズン第10戦
決勝開催日 8月12日
開催地 ハンガロリンク
ハンガリー ブダペスト
コース長 3.978km
レース距離 77周(305.536km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'17.919
ファステストラップ
ドライバー リカルド・パトレーゼ
タイム 1'22.058(Lap 63)
決勝順位
優勝
2位
3位

1990年ハンガリーグランプリ: 1990-es magyar nagydíj)は、1990年F1世界選手権の第10戦として、1990年8月12日ハンガロリンクで決勝レースが開催された。

概要

社会主義国家でのF1初開催となった1986年から5年目を数え、前年の民主化運動によって新体制となったハンガリー共和国でのグランプリ開催となった。

1987年よりロータスのメインスポンサーを務めてきたキャメルが記者会見を開き、1991年よりベネトンウィリアムズのスポンサーになることを発表した。名門ロータスは来期に向けて、存続の危機に立たされることになる。

予選

ウィリアムズのベテラン、ティエリー・ブーツェンがF1出走115戦目で初めてポールポジションを獲得。2位はリカルド・パトレーゼで、ウィリアムズ勢がフロントローを独占した。

2台とも予選落ちしたモンティベルディ(オニクス)はこのレースを最後に撤退し、チームは消滅した。

予備予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 1'21.518
2 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 1'21.710 +0.192
3 18 ヤニック・ダルマス AGSフォード 1'23.227 +1.709
4 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'23.406 +1.888
DNPQ 14 オリビエ・グルイヤール オゼッラフォード 1'23.582 +2.064
DNPQ 31 ベルトラン・ガショー コローニフォード 1'23.670 +2.152
DNPQ 33 ロベルト・モレノ ユーロブルンジャッド 1'24.386 +2.868
DNPQ 34 クラウディオ・ランジェス ユーロブルンジャッド 1'26.514 +4.996
DNPQ 39 ブルーノ・ジャコメリ ライフ 1'41.431 +19.913

予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 1'17.919
2 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 1'17.955 +0.036
3 28 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 1'18.127 +0.208
4 27 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 1'18.162 +0.243
5 2 ナイジェル・マンセル フェラーリ 1'18.719 +0.800
6 4 ジャン・アレジ ティレルフォード 1'18.762 +0.843
7 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 1'18.901 +0.982
8 1 アラン・プロスト フェラーリ 1'19.029 +1.110
9 20 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 1'19.453 +1.534
10 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 1'19.675 +1.756
11 11 デレック・ワーウィック ロータス-ランボルギーニ 1'19.839 +1.920
12 29 エリック・ベルナール ローラ-ランボルギーニ 1'19.963 +2.044
13 21 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 1'19.970 +2.051
14 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 1'20.197 +2.278
15 3 中嶋悟 ティレルフォード 1'20.202 +2.283
16 16 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 1'20.385 +2.466
17 15 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 1'20'397 +2.478
18 12 マーティン・ドネリー ロータスランボルギーニ 1'20.602 +2.683
19 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 1'20.619 +2.700
20 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 1'20.715 +2.786
21 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 1'21.003 +3.084
22 9 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 1'21.758 +3.839
23 24 パオロ・バリッラ ミナルディフォード 1'21.849 +3.930
24 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'21.964 +4.045
25 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 1'22.078 +4.159
26 10 アレックス・カフィ アロウズフォード 1'22.126 +4.207
DNQ 18 ヤニック・ダルマス AGSフォード 1'22.263 +4.344
DNQ 7 デビッド・ブラバム ブラバムジャッド 1'22.488 +4.569
DNQ 36 J.J.レート モンテベルディフォード 1'22.647 +4.728
DNQ 35 グレガー・フォイテク モンテベルディフォード 1'24.361 +6.442
出典[1]

決勝

ホームストレートのレコードライン上にある奇数グリッドの車の方が良いスタートを切り、3番グリッドのベルガーがPPのブーツェンに並びかけたが、ブーツェンが首位を守った。セナはマンセルとアレジに抜かれて6位に後退した。

序盤はブーツェン、ベルガー、パトレーゼ、マンセルが先頭集団となり、10秒遅れてアレジ、セナ、ナニーニ、ピケ、プロストが続く展開。アレジに前を塞がれていたセナは21周目にようやくパスしたが、タイヤの異常を感じてピットインし、再び10位に後退する。抜きどころの少ないコース上でブーツェン対ベルガー、パトレーゼ対マンセルの我慢比べが続く間に、5位ナニーニがマンセルの背後に迫った。

37周目、8位のアレジが周回遅れのマルティニと絡んでリタイア。さらに7位のプロストがギアボックストラブルにより最終コーナーでスピンし、シリーズチャンピオン争いにおいて痛手となるリタイアを喫した。一方、セナはフレッシュタイヤを履いて急速なペースで挽回し、先頭集団に追いついてきた。

レース終盤に差しかかり、上位に動きが生じる。

  • 47周目、ブーツェンを攻めあぐねた2位ベルガーが、タイヤ交換のためピットインし6位へ後退。
  • 53周目、パトレーゼに詰まったマンセルをナニーニとセナが一気に抜いて、マンセルは5位に後退。
  • 57周目、ナニーニとセナがパトレーゼも攻略し、4位に落ちたパトレーゼはタイヤ交換を行うが、ピットアウト後にハーフスピンして脱落する。

これで先頭ブーツェンからナニーニ、セナ、マンセル、ベルガーまでの5台が一列縦隊の「トレイン」になり、周回遅れをかわしながら緊迫した優勝争いを展開した。

  • 64周目、コース中間部のシケイン(8コーナー)でセナがナニーニのインを狙うが、リアタイヤに接触し、ナニーニのマシンは宙に跳ね上げられる。セナは2位に上がるが、ナニーニはサスペンションが壊れてリタイアとなった。
  • 65周目、前周のリプレイ映像を見るように、シケインでインを突いたベルガーがマンセルと接触。今回は2台ともリタイアとなる。

潰し合いを生き残ったセナはブーツェンにプレッシャーをかけたが、ブーツェンは消耗したタイヤで堅実に走り切り、通算3勝目をポール・トゥ・ウィンで飾った。

決勝結果

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 77 1:49'30.597 1 9
2 27 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 77 +0.288 4 6
3 20 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 77 +27.893 9 4
4 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 77 +31.833 2 3
5 11 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 77 +1'14.244 11 2
6 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 77 +1'24.308 12 1
7 12 マーティン・ドネリー ロータスランボルギーニ 76 +1 Lap 18  
8 15 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 76 +1 Lap 17  
9 10 アレックス・カフィ アロウズフォード 76 +1 Lap 26  
10 21 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 76 +1 Lap 13  
11 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 76 +1 Lap 25  
12 9 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 75 +2 Laps 22  
13 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 74 +3 Laps 24  
14 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 74 +3 Laps 21  
15 24 パオロ・バリッラ ミナルディフォード 74 +3 Laps 23  
16 28 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 72 接触 3  
17 2 ナイジェル・マンセル フェラーリ 71 接触 5  
Ret 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 64 接触 7  
Ret 16 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 56 ギアボックス 16  
Ret 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 37 エンジン 19  
Ret 1 アラン・プロスト フェラーリ 36 ギアボックス 8  
Ret 4 ジャン・アレジ ティレルフォード 36 接触 6  
Ret 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 35 エンジン 20  
Ret 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 35 接触 14  
Ret 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 22 エンジン 10  
Ret 3 中嶋悟 ティレルフォード 9 ブレーキ 15  
出典[2]

レース後の選手権順位

  • 注記:ランキング上位5位まで記載。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Hungarian Grand Prix - OVERALL QUALIFYING”. Formula1.com. 2020年4月28日閲覧。
  2. ^ Hungarian Grand Prix - RACE RESULT”. Formula1.com. 2020年4月27日閲覧。
  3. ^ a b Hungary 1990 - Championship STATS F1”. www.statsf1.com. 2020年4月27日閲覧。
前戦
1990年ドイツグランプリ
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
1990年ベルギーグランプリ
前回開催
1989年ハンガリーグランプリ
ハンガリーグランプリ 次回開催
1991年ハンガリーグランプリ


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