1950年代から1960年代: ジャンルの特化
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エース・ブックスの2冊目は西部劇もので、ウィリアム・コルト・マクドナルド の Bad Man's Return と J. Edward Leithead の Bloody Hoofs を一冊にしたものであった。当初はミステリーと西部劇をほぼ交互に出版していたが、例外としてP・G・ウッドハウスの Quick Service と The Code of the Woosters を一冊にしたものがある。1953年、A・E・ヴァン・ヴォークトの『非Aの世界』と『宇宙製造者』を組み合わせた一冊でSF進出した(それ以前に、SF的ストーリーである セオドア・S・ドラックマンの Cry Plague! があったが、これと組み合わせられた レスリー・エジレイの The Judas Goat はSFではない)。その後もSF作品のエースダブルが出版され、徐々に比重が大きくなっていった。1955年にはミステリーや西部劇よりもSFの方が多くなり、1961年以降はミステリーと西部劇を合わせたよりもSFの方が多くなった。エース・ブックスは1950年代には、非行少年を主人公とした小説も出版していて、現在ではコレクションの対象となっている。例えば D-343 The Young Wolves(Edward De Roo)、D-378 Out For Kicks(Wilene Shaw)などがある。 ヴァン・ヴォークトのエースダブルの直後、エースダブル形式でない最初の本としてドロシー・マローンの Cookbook for Beginners が出版された。1954年には小説も単独で出版されるものが出てきたが、それらの多くはエース・ブックスの主要3ジャンル以外のものだった。しかし1960年代には、主要ジャンルの作品も単独で出版されるようになってきた。この変化はシリアル番号のシリーズを表す先頭のアルファベットに表れている。単独で出版されるSF作品はFシリーズまたはMシリーズに分類されているが、当初からあるD/G/SシリーズやKシリーズに属する単独作品は主要ジャンル以外のものがほとんどである。 1950年代末には、エース・ブックスは年間100冊以上を出版しており、そのほとんどが主要3ジャンルだった。ほとんどが一冊35セントだが、薄いものは25セント、分厚いものは50セントで売られていた。1960年代にはコスト上昇に伴って値上げされ、40セントや45セント以上になった。1967年のフランク・ハーバートの『デューン』は分厚かったため、95セントだった。他のジャンルの本も多数出版しており、例えば「看護婦ロマンス」ものも多数出版している(1960年のジョーン・サージェントの Cruise Nurse とマーガレット・ハウの Calling Dr. Merriman を一冊にしたものが最初である)。60年代末にはそのようなタイトルを年間70冊以上出版しており、他にもゴシック小説、自己啓発本など様々なジャンルの本を出版していた。
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