19世紀・トウシューズの誕生とは? わかりやすく解説

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19世紀・トウシューズの誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 15:17 UTC 版)

トウシューズ」の記事における「19世紀・トウシューズの誕生」の解説

ファニー・ビアス(1821年マリー・タリオーニ1832年19世紀に入ると、一部女性ダンサーが、瞬間的に、またはワイヤーで体を吊ることなどによって、爪先立ちポワント)のポーズ披露するようになったポワント技法をいつ誰が創始したのかは定かではないが、1810年代から20年代にかけて普及していったと考えられている。例えば、シャルル・ディドロ振付によるバレエフロールゼフィール』(1796年初演)は、ワイヤー吊るされダンサー空中飛行するという演出取り入れた作品であるが、本作1815年パリ・オペラ座上演された際、フロール役の女性ダンサーポワント立ったではないか推測されている。また、1821年描かれた『フロールゼフィール』のリトグラフでは、フロール役のファニー・ビアスがポワント立っている様が描かれている。ただし、この頃ポワント技法は、一部ダンサーが得意とする珍しい曲芸の類に過ぎなかった。 ポワント技法単なる曲芸から芸術表現へと昇華させたのは、振付家フィリッポ・タリオーニと、その娘でダンサーマリー・タリオーニである。ポワント技法可能性着目したフィリッポは、その技術を娘のマリーに厳しく教え込んだマリー1827年からパリ・オペラ座舞台に立つようになったが、その名声確固たるものにしたのが、フィリッポ振り付けバレエラ・シルフィード』(1832年初演であったマリー本作空気の精シルフィード演じたが、ポワント技法用いたその踊りは、まるで本当に宙を漂っているかのような印象観客与えたという。当時ヨーロッパは、異国超自然的存在への憧憬特徴とするロマン主義影響にあった。『ラ・シルフィード』は、妖精という非人間的な存在ポワント技法によって表現しロマン主義的な主題描き出すことに成功したのであるマリー・タリオーニ踊り女性ダンサーにとっての新たな規範となり、ポワント技法女性ダンサー必須技術として広まっていった。ただし、当時トウシューズは、現在のバレエシューズ似た柔らかいものであったダンサーたちは、シューズ先端を糸でかがって補強したり、爪先に綿や布を詰めたりといった工夫凝らしていたと推測されるが、この頃はまだポワント長時間静止することはできず、披露できる技の種類限られていた。

※この「19世紀・トウシューズの誕生」の解説は、「トウシューズ」の解説の一部です。
「19世紀・トウシューズの誕生」を含む「トウシューズ」の記事については、「トウシューズ」の概要を参照ください。

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