13,500トン型DDH
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 13:51 UTC 版)
「海上自衛隊の航空母艦建造構想」の記事における「13,500トン型DDH」の解説
はるな型(43DDH)の後継艦は13中期防において建造されることとされ、2000年1月、瓦力防衛庁長官はカリフォルニア州サンディエゴ海軍基地で「次期中期防に、高度な情報通信機器を装備し、指揮統制能力を強化した『ハイテク指揮艦』の取得を盛り込みたい」と発言した。2000年12月に閣議決定され、この際には下記の3つの船型案が提示された。 従来までのDDHと同様に前部に構造物を持ち、後部を発着甲板とする案 艦橋構造物で前後の甲板を分断し、艦橋の前後にヘリコプター甲板を持たせる案 艦の全長に渡って障害物のない発着甲板を有する全通甲板型とする案 3つの案のうち、当初は第2案が、予想図では無く「イメージ図」という用語を伴って発表されたが、閣議決定の対象ではなく以後の作業を束縛しないものとされた。この図の段階でマストや煙突は右舷側に寄せられており、左舷側には前後の発着甲板をつなぐ大型のシャッターや大きな艦橋が置かれているだけだった。このため、実際の船型は全通甲板の第3案に内定しており、航空母艦に近い形状で世論の反発を買うことがないように作った図であるとも言われた。また全通甲板のほうがあらゆる点で性能的に優れることもあり、最終的に、複数の水中目標対処等の状況を想定して、第3案に変更され、2003年には第3案に基づく予想図が発表された。 この設計による13,500トン型DDHは、1番艦が2009年3月18日、「ひゅうが」(DDH-181)として就役した。続く2番艦は平成17年度予算で要求される予定であったが、海自のC4Iシステム整備とミサイル防衛関連に防衛予算全体が圧迫されたため、この要求は先送りとなり、平成18年度予算で要求が行われ、その建造が認められた。2011年3月16日、「いせ」(DDH-182)として就役した。 東京新聞の取材を受けた海自幹部はひゅうが型に関して、「艦艇は30年間使う。『ひゅうが』は将来、政治の要請があれば、いつでも空母に改造できる」と証言している。
※この「13,500トン型DDH」の解説は、「海上自衛隊の航空母艦建造構想」の解説の一部です。
「13,500トン型DDH」を含む「海上自衛隊の航空母艦建造構想」の記事については、「海上自衛隊の航空母艦建造構想」の概要を参照ください。
- 13,500トン型DDHのページへのリンク