0とO、1とlとI
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:59 UTC 版)
今日使用されている2組の一般的で重要なホモグリフは、数字の0(ゼロ)・大文字のO(オー)、および、数字の1(いち)・小文字のl(エル)・大文字のI(アイ)である。初期の機械式タイプライターの時代には、これらの字体の間にはほとんど、あるいは全く視覚的な違いがなく、タイピストはキーボードショートカットとしてそれらを互換的に扱っていた。実際、ほとんどのキーボードには数字の1のためのキー自体がなく、ユーザーはその代わりに小文字のl(エル)を入力していた。また、いくつかの機種では数字の0のキーもなく、O(オー)で代用していた。1970年代にタイピストだった人たちが、1980年代にコンピュータのキーボードオペレータに移行したため、タイプライターでの習慣がそのままコンピュータにも持ち込まれ、これが混乱の原因となっていた。 体積の単位のリットルの記号は、単位名称が人名由来ではないため本来は小文字の l (エル)となるが、数字の 1 と似ていて紛らわしいことから大文字の L とすることが推奨されている。 現在のほとんどの書体デザインでは、これらのホモグリフを慎重に区別しており、通常は数字のゼロを文字のオーよりも幅を狭くし、数字の1には上部に(フォントによっては下部にも)セリフをつけている。初期のコンピュータのプリントアウトでは、数字のゼロに斜線やドットをつけて明確に区別していた(斜線付きゼロを参照)。しかしこれは、北ゲルマン語群の文字"Ø"やギリシャ文字のΦ(ファイ)との新たなホモグリフを生んだ。これらの、文字を区別するための字体の再設計は混乱を少なくする。2つの異なる文字が同じように見える程度の度合いを、「視覚的類似性」(visual similarity)という。
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