アール‐かてい〔‐クワテイ〕【r過程】
r過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 02:18 UTC 版)
r過程(アールかてい, r-process)とは、中性子星の衝突などの爆発的な現象によって起こる、元素合成(超新星元素合成)における中性子を多くもつ鉄より重い元素のほぼ半分を合成する過程のこと。これは迅速かつ連続的に中性子をニッケル56のような核種に取り込むことによって起きる。そのためこの過程はr (Rapid) 過程と呼ばれる。重元素を合成するほかの過程にはs過程があり、これは漸近巨星分枝星 (赤色巨星への進化段階) でゆっくり (Slow) した中性子捕獲によって元素合成を行う。この2つの過程が鉄より重い元素の元素合成過程の大半を占める。
|
- ^ M. Burbidge, G. R. Burbidge, W. A. Fowler, and F. Hoyle. (1957). “Synthesis of the Elements in Stars”. Rev Mod Phy 29 (4): 547. doi:10.1103/RevModPhys.29.547 .
- ^ “中性子星合体は金、プラチナ、レアアース等の生成工場|ニュース - 研究成果|国立天文台(NAOJ)” (日本語). 国立天文台(NAOJ). 2020年6月21日閲覧。
r過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/14 15:06 UTC 版)
詳細は「r過程」を参照 2017年8月、中性子星同士の衝突現象が観測され、その現象を分析した結果、中性子星の衝突によるr過程元素の合成が確認された。この分析結果により、r過程が中性子星同士の融合によって発生することが証明されている。 上記の現象が分析されるまでは、恒星核が重力崩壊する超新星爆発(スペクトル型 Ib型 Ic型 II型)でr過程が起こると広く信じられてきた。しかしながら、r過程核種の存在比からすると、超新星爆発のうち、ほんの少しの事例でr過程核種を星間物質に放出するか、それぞれの超新星爆発で生成されたr過程核種のうち、ほんの少しの部分を放出するということを要請する。またコンピューターシミュレーションでも超新星爆発によってr過程が生じなかったため、超新星爆発がr過程の発生する現場であることに疑問が持たれていた。 別の候補として中性子星同士の衝突によってr過程が起こりうる可能性があることが知られていたが、2014年、国立天文台・東京大学の研究チームによって中性子星の合体によるr過程が矛盾なく説明できるとの研究結果が専門雑誌に掲載され、前述の衝突現象が観測され分析されたことにより、そのことが証明された。
※この「r過程」の解説は、「超新星元素合成」の解説の一部です。
「r過程」を含む「超新星元素合成」の記事については、「超新星元素合成」の概要を参照ください。
- r過程のページへのリンク