鼠小僧の義賊伝説(歌舞伎)と(時代劇)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:08 UTC 版)
「鼠小僧」の記事における「鼠小僧の義賊伝説(歌舞伎)と(時代劇)」の解説
鼠小僧について「金に困った貧しい者に、汚職大名や悪徳商家から盗んだ金銭を分け与えた」という伝説がある。この噂は彼が捕縛される9年も前から流れていた。事実、彼が捕縛された後に役人による家宅捜索が行われたが、盗まれた金銭はほとんど発見されなかった。傍目から見ると彼の生活が分をわきまえた慎ましやかなものであったことから盗んだ金の行方について噂になり、このような伝説が生まれたものと考えられる。しかし現実の鼠小僧の記録を見るとこのような事実はどこにも記されておらず、現在の研究家の間では「盗んだ金のほとんどは博打と女と飲酒に浪費した」という説が定着している。 鼠小僧は武士階級が絶対であった江戸時代に於いて、大名屋敷を専門に徒党を組むことなく一人で盗みに入ったことから、江戸時代における反権力の具現者のように扱われたり、そういったものの題材して使われることが多い。 しかし、これについて資料が残されていない中で鼠小僧自身にその様な意図が無かったという推測もある。彼が大名屋敷を専門に狙った理由については、敷地面積が非常に広く一旦中に入れば警備が手薄であったことや、男性が住んでいる表と女性が住んでいる奥がはっきりと区別されており金がある奥で発見されても女性ばかりで逃亡しやすいという理由が挙げられている。また町人長屋に大金は無く、商家は逆に金にあかせて警備を厳重にしていた。大名屋敷は謀反の疑いを幕府に抱かせるおそれがあるという理由で警備を厳重に出来なかったものと考えられ、また面子と体面を守るために被害が発覚しても公にしにくいという事情もあった。 1970年に放送された東京12チャンネル/日活のテレビ時代劇の『大江戸捜査網アンタッチャブル』第1シリーズ第5話「ねずみ小僧只今参上」の劇中で、鼠小僧次郎吉を演じる松山英太郎の台詞で「何故大名屋敷を狙うって?なぁにそいつは目を錘って居ても歩ける~云々」と上記の理由が述べられていた。
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