【高速徹甲弾】(こうそくてっこうだん)
High Velocity Armour Piercing (HVAP)
Armor Piercing Composite Rigid(APCR、硬芯徹甲弾)と表記する場合もある。
硬質で重い素材で芯を作り、その周囲を軽量な素材で覆った砲弾。
芯はタングステンや鋼を使い、その周囲はアルミニウムを用いるのが一般的。
弾頭が軽いために高速で射出され、衝撃が細い芯のみに集中するため装甲を貫徹しやすい。
第二次世界大戦の中期ごろ、重装甲化の一途を辿る戦車への対抗策として考案された。
当初は戦車砲の砲弾として採用されたが、成形炸薬弾・装弾筒付徹甲弾の発明により旧式化。
現代では主に機関砲弾として軽装甲車両を撃破する用途に利用されている。
高速徹甲弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 09:22 UTC 版)
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高速徹甲弾(HVAP:High Velocity Armor Piercing)は、戦車の主砲弾や航空機関砲に使用される砲弾で、装甲を貫くのに特化した弾である。 硬芯徹甲弾(APCR:Armor Piercing Composite Rigid)とも呼ばれる。
理論
装甲貫徹力は、概ね弾着時の運動エネルギーに比例するため砲弾の速度の二乗に比例し、質量に比例して増大する。一方運動量は速度と質量に比例して増大するので、同じ運動量を砲弾に与えるならば、砲弾の質量を増すよりも砲弾の速度を増したほうが運動エネルギー(≒装甲貫徹力)は大きくなる。
さらに砲弾質量の増大(≒口径の増大)による貫徹力の増大は、砲が受け止めるべき運動量(≒反動)の増大や、その質量により人力装填が困難になったり、砲装置の規模・質量・複雑さが増大するなど問題が多く、この観点からも速度の増大による貫徹力強化は好ましいといえる。
構造
HVAP弾・APCR弾は、タングステン合金や劣化ウラン合金、鋼鉄などの重金属でできた弾芯と軽金属の弾体で構成され、通常の徹甲弾より全体の質量を軽くする事で高初速を得ている。
ただし比較的近距離では高い貫通力を発揮するものの、比重の低さゆえ距離が離れるにつれ急激に威力が低下、ある程度以上の距離では通常の徹甲弾よりも劣る性能となる。
歴史
第二次世界大戦中のドイツ軍やソ連軍、アメリカ軍で使用されたが、APDSやAPFSDSの開発により次第に戦車砲の砲弾としては使用されなくなった。しかし、発射時に分離する装弾筒が存在しないため、航空機関砲ではいまだに現役である。
関連項目
高速徹甲弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 10:06 UTC 版)
1892/1924年式徹甲弾の装甲貫通力は、「400 mで8 mm」という小銃徹甲弾レベルであり、エネルギーにおいても、3.7 cm PaK 36の1/3程度であり、口径が同じでも全く比較にならなかった。 1935年と1937年には、弾芯に鋼を用いた、新式の高速徹甲弾が採用され、装甲貫通力は「400 mで21 mm」と、2.5倍以上に大幅に強化された。
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