食品・民間薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:10 UTC 版)
フランス料理として有名なエスカルゴは、専用のブドウ畑(高級品ならワイン用の品種のブドウを用いる)や穀類で寄生虫がつかないよう衛生的に養殖されたリンゴマイマイ科(Helicidae)のカタツムリの一種であり、主にヨーロッパとヨーロッパ系人種が多いアメリカで食用にされ、養殖が盛んに行われている。スペイン・バレンシア地方では、パエリアの具材として欠かすことのできない食材である。ギリシャでも広く食用にされている。フランス領のニューカレドニアなどでは、現地に産するトウガタマイマイ科の Placostylus 属のものが大量に消費されてきた。卵もホワイトキャビアの俗名で食用とされる場合がある。 缶詰などのエスカルゴにはアフリカマイマイなどを使ったものが多く、中国や台湾などでは白珠といわれる軟体部の白いアフリカマイマイの品種が多く養殖されている。アフリカマイマイ科とリンゴマイマイ科では足の溝の特徴が異なるため、缶詰の肉でも判別可能である。一般にはアフリカマイマイの肉の方がやや硬いとも言われるが、調理法や個人の嗜好にもよるため優劣を比較することはできない。 日本でもカタツムリを食べる文化は古くからある。例えば飛騨地方ではクチベニマイマイが子供のおやつとして焼いて食べられていた他、喉や喘息の薬になると信じられ、殻を割って生食することが昭和時代まで一部で行われていた(後述にもあるがカタツムリは寄生虫の宿主であることが多く、衛生的に養殖されたものを除き生食する行為は危険である)。また殻ごと黒焼きにしたものは民間薬として使用され、21世紀初頭でも黒焼き専門店などで焼いたままのものや粉末にしたものなどが販売されている。
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