飛行場問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 21:40 UTC 版)
「ガダルカナル島の戦い」の記事における「飛行場問題」の解説
太平洋正面の戦闘は、制空権獲得のための航空基地獲得戦であり、その造成力が早いか遅いかとその良否とが制空権獲得を左右した。航空基地造成力に関し、日本は前時代的な人間の手による非能率的な方法で、長時日かけて飛行場を造成したが、アメリカ軍は建設機械を全幅に駆使し、数日で滑走路を造成して航空兵力を展開して局地の制空権を獲得していき、それに伴い日本側は陸海において苦戦を強いられ、占領地を奪われていった。ガダルカナル島に2個設営隊、2000人以上を送って1か月にわたって陸上飛行場を造成して滑走路が完成しても、飛行機が来る前にすぐにアメリカ軍に上陸されて取られてしまうといった具合だった。(ヘンダーソン飛行場) 帝国海軍が計画したガダルカナル島の飛行場造成は、それを巡る戦闘でも陸海軍に大きな被害を出す結果になった。軍令部作戦課航空主務参謀の三代辰吉中佐は、ガダルカナルに陸上飛行場の適地はあるが、飛行機を配備するにはまだ不足しているので水上機でやろうと考えており、飛行場の造成に関しては軍令部は知らず、現地部隊の第四艦隊が勝手に始めたものと証言している。しかし、設営隊本隊のガ島上陸の翌7月7日、軍令部作戦課は参謀本部作戦課に「FS作戦の一時中止」を正式に申し入れ、「ガダルカナル陸上飛行基地(最近造成に着手、8月末完成の見込)」という文書を提示している。
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