題材検討
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 08:23 UTC 版)
ヴェルディ自身が考えていた題材は、主にイギリスの作家の作品、例えばシェイクスピアの『リア王』、リットンの『リエンツィ』、あとバイロンの諸作品などであったらしい。 うち『リア王』はヴェルディが生涯を通じてオペラ化を企て、様々の理由で断念、結局作品化できなかった曰くつきの題材である。この時の検討はそのうち最初の試みにあたるのだが、リア王を演じ歌うべきはバス歌手と考えていたヴェルディは、フェニーチェ劇場がこのシーズンに優れたバスを確保できないらしいと知って断念した。 また『リエンツィ』は1835年初版の小説であり、既に1842年にはヴェルディ後年のライヴァル、リヒャルト・ワーグナーがオペラ化、ドレスデンで初演している。ヴェルディがワーグナー作品の存在を知っていたかどうかは定かではないものの、仮にヴェルディがこれをオペラ化していたならば、両大家唯一の競作作品となったはずであった。この時は、ヴェネツィアでの検閲通過の困難さを考えて計画が放棄されたと考えられている。
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