音楽とリブレット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 01:01 UTC 版)
レイナルド・アーンはその出生にもかかわらず、最も《フランス的》で最も《パリジャン》な作曲家だろう。アーンは数か国語に通じ、才知に富んだ話し手で社交生活や旅行に多くの時間を費やし、クレオ・ド・メロード、サラ・ベルナール、マルセル・プルーストらのベル・エポックの著名な士の大半と知己の間柄にあった。音楽はテオドール・デュボワに和声を、作曲をジュール・マスネに学んだが、マスネはアーンに深い友情を抱き、生涯庇護し続けることになった。 ジャック・ルシューズは本作の音楽的特徴について「オッフェンバック、シャルル・ルコック、アンドレ・メサジェを高く称賛していたアーンは『シブレット』の中に彼らの特徴を少しずつ織り込んだ。陽気なアンサンブル、魅力的な歌、さわやかさ、何とも言えず心地よい趣味などはいつまでも人々の心に残っている。〈私たちは素敵な旅をした〉(Nous avons fait un beau voyage)は誰でも知っている素敵な歌だ」と解説している。 「レイナルド・アーンはまず何より美しい旋律の曲を作る作曲家であり、人間の声を様々な楽器の中でも一番優れていたものと考えていた。彼はテキストを最高度に尊重しながら音楽をつけ、テキストにより一層の価値を与えようとしていた。彼の芸術についての理念は、詩と音楽芸術の親密な統一であった」。本作もアーンの最も著名な作品であり、彼の音楽の最良のものを見出すことができる。 永竹由幸はリブレットについて「デュパルケが『ラ・ボエーム』のミミに死なれたロドルフォの年老いた姿だったりして、各所にオペラ・ファンをくすぐるジョークが入っている」と評している。
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