韓国人観光客射殺事件と影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 16:24 UTC 版)
「金剛山 (朝鮮)」の記事における「韓国人観光客射殺事件と影響」の解説
2008年7月11日に韓国人の女性旅行者が(北朝鮮当局の発表によると)金剛山付近で誤って立ち入り禁止区域に侵入、北朝鮮兵に射殺される事件が発生した。この事件では、観光業者の現代峨山や北朝鮮側、目撃証言等が合致せず、派遣調査を巡り南北政府が対立した。こうした報道を受けて、侵入禁止区域における観光客の安全を憂慮する声が韓国内から上がり、韓国政府は暫定的に金剛山へのツアーを停止する措置をとった。これに対して北朝鮮政府は、事件の全責任が韓国にあるとして、韓国が謝罪して再発防止策を講じるまで韓国からの旅行者の受け入れを停止すると発表した。この事件を契機として太陽政策の一翼であった金剛山観光が途絶え、同年12月1日には北朝鮮側の往来制限措置で開城観光ツアーが中断となるなど、南北間の緊張緩和政策が変化した。 金剛山観光地区法(2002年)により金剛山観光業を主導した現代峨山は、観光再開に向けて会長自らが平壌を訪問し、金正日総書記と会談で観光客の安全に対して約束を取り付けたものの、韓国政府が安全面を理由に再開を許可しないため、未だに金剛山観光は再開されていない。2010年4月8日、北朝鮮側は、韓国政府所有の離散家族面会所をはじめとした韓国側所有の不動産資産を没収、凍結し、韓国側管理要員を追放すると発表。また、金剛山観光中断が今後も継続する場合、現代峨山との契約を破棄し、新たな観光事業者を選定することを示唆した。 金剛山観光には中国の旅行会社が関心を示しているとされており、その後、韓国側が反発する中、中国人観光客の金剛山受け入れを開始した。ただし、閉鎖されている韓国側の施設には立ち入ることが出来ない。2011年に金剛山観光地区は廃止され、同年4月から金剛山国際観光特別区が設置されている。
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