韓国への引き渡し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 22:06 UTC 版)
「大韓航空機爆破事件」の記事における「韓国への引き渡し」の解説
バーレーン警察による取り調べが行われた後、国籍も姓名も割り出せないまま「蜂谷真由美」名義の女の身柄は12月15日に韓国へ引き渡された。その時彼女は、自殺防止用のマウスピースをくわえさせられ、口元を大きな粘着テープで覆われ、両脇をかかえられて移動した。当初、彼女は日本人になりすましていたが、ソウルに移送されることだけは避けたいと考えて中国人になりすまそうとし、中国の黒竜江省出身の「百華恵」であると供述、容疑を否認し続けた。ソウルの国家安全企画部で行なわれた尋問でも、最初は中国出身であるように装っていた。 しかし、取調官からの連日の事情聴取の中で、日本人や中国人であるとする説明の数々の矛盾点を指摘された上、「日本に住んでいた時に使っていたテレビのメーカーは?」という質問に、北朝鮮ブランドの「チンダルレ」と答えて捜査員にも笑われる事態となり、また捜査員に夜のソウル市街へ連れ出された際、北朝鮮の説明とは全く異なる繁栄ぶりに驚愕し、ついに自分が朝鮮労働党中央委員会調査部所属の特殊工作員、金賢姫であると自白し、航空機爆破の犯行を自供した。服毒自殺した「蜂谷真一」名義の男は、同じく北朝鮮の工作員、金勝一であることが判明した。なお、金賢姫の供述によれば、爆発物は時限装置付きのプラスチック爆弾が入った携帯ラジオと液体爆弾が入った酒ビンであるとされた。爆弾は2人の座っていた機体前方の7Aと7B近くのラックの中に入れており、爆発物は彼女がバッグの中に入れて機内に持ち込んだと供述した。 2019年3月31日、当時の機密扱いだった外交文書が公開され、当時の全斗煥政権が大統領選挙を前に、金賢姫を韓国に移送しようとしていたことが明らかになった。
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