韓国への技術供与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 14:47 UTC 版)
浦項総合製鉄(現在のポスコ)の当時[いつ?]の社長の朴泰俊(のち名誉会長、韓国首相)は「物を盗むのは泥棒で悪いことだが、心を盗むのは良いことで戦略的なこと」と誇り、稲山を「いろいろと助けてくれた。心が開かれた方だった」とした。 103万トンの1次高炉が成功した後、稲山に会いにいった時、朴が日本の最新流行歌を多く知っていたので、稲山が自分の車に同乗させ、歌ってみろと言ったので歌ってみせると「『よくやった』と言って大喜びした。 それほど親しかった」とエピソードを明かし「親しくなってこそ全てを持ってこられる。こうした戦略がなければ技術は導入できない。このように人間の心を盗んでこそ技術まで、願うものを持ってくることができる」と語っている。 朴曰く、稲山は全面支援を約束したが、製鉄所の現場は世界最高の技術をなぜ他人に譲らなければいけないのかと、上からの命令に抵抗した。製鉄所のアイデンティティーといえる規定集(製鉄技術マニュアル集)、図面設計、機械の性格を日本の先進製鉄所からほとんどすべて導入することができた。 朴は稲山が「日本が数十年にわたった韓国支配を通じて韓国民に与えた損失を償う意味でも、同事業(浦項製鉄の事業)に協力するのが当然であると力説された」と述べている。 なお稲山の死後、1990年代には新日鉄を退職した技術者がポスコに技術を流出させ、のちにポスコと新日鉄住金は訴訟で争うこととなった。
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