陸奥国と出羽国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 16:19 UTC 版)
「内陸国」と「沿岸国」 陸奥国の国府が仙台平野の多賀城に置かれ、出羽国の国府が庄内平野の酒田に置かれた事で解るように、陸奥は「内陸国」の、出羽は「沿岸国」の傾向が見られる。 陸奥国(盆地、太平洋沿岸)は、沿岸平野がいわき市周辺(特徴的海岸:四倉)、相馬市周辺(特徴的海岸:松川浦)、仙台平野(特徴的海岸:松島)、八戸市周辺(特徴的海岸:蕪島)と乏しく、波も荒く海流も強いため、陸上交通による関東地方との関わりが深い「内陸国」であった(→みちのく)。 一方、出羽国(日本海沿岸)は、沿岸に庄内平野、秋田平野、能代平野、津軽平野と、内陸部につながる沿岸平野がほぼ均等な間隔で存在し、北前船に代表されるように、古代から明治時代まで、海運による近畿地方との関わりが深い「沿岸国」であった(→越後国の先にある地域)。 江戸時代には、おおむね日本海沿岸の地域は銀遣い、太平洋沿岸の地域は金遣いであり、その境界線はおおよそ下北半島の東岸であった。 分割 戊辰戦争終結の直後、明治元年旧暦12月7日(1869年1月19日)に、陸奥国は分割され、陸奥国 (1869-)・陸中国・陸前国・岩代国・磐城国が設置され、同じく出羽国も羽前国・羽後国に分割された。羽前と羽後の総称として「両羽」、陸奥・陸中・陸前の総称として「三陸」という地域名が使われることもある。
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