開館前史「潮岬図書館と暁光倶楽部」
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「串本町図書館」の記事における「開館前史「潮岬図書館と暁光倶楽部」」の解説
現今の串本町域では、1910年(明治43年)に潮岬図書館が開館した。この図書館は潮岬村の青年らが「青年会館を造ろう」と1907年(明治40年)頃に声を挙げたのが始まりであり、青年会員やオーストラリアへの出稼ぎ者らの寄付で1909年(明治42年)にはおよそ1,000円が集まっていた。これを受け青年会長らが本格的に募金運動を展開し、同年中に3,000円まで増加させた。そして会館の建設を開始し、1910年(明治43年)8月9日に開館式を挙行した。潮岬図書館は青年会館の中、玄関から向かって左手に設けられ、面積は10坪(≒33.1 m2)で蔵書数は歴史・法律関係を中心に1,600冊を保有していた。行政に頼らず図書館を建てたことを牟婁新報は「青年会にして此の大企画をなせる県下潮岬を以て嚆矢とす、田辺の図書館など汗顔に堪えずと言ふべし」と評した。図書館としての開館は潮岬小学校の校友会報に「9月5日、青年会館へ図書引移しを了す」とあることから、1910年(明治43年)9月5日以降であると見られる。 一方、串本町図書館の歴史に直接結びつくのは、串本町の住民による読書団体「暁光倶楽部」の活動である。暁光倶楽部は1913年(大正2年)に設立され、青年有志らが資金を出し合って図書を回し読みする組織で約100冊を保有するまでになったが、維持困難のためわずか1年で解散してしまった。暁光倶楽部が集めた図書は後に串本図書館へ寄贈されることになる。倶楽部のメンバーの1人は読書への思いを抱き続け、1932年(昭和7年)に神林書店を開業した。
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