開館ラッシュから全館閉館へ(1928-1960)
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「志摩市立図書館」の記事における「開館ラッシュから全館閉館へ(1928-1960)」の解説
1928年(昭和3年)5月18日、三重県庁は「市町村立図書館設置奨励ニ関スル件」という訓令を発して図書館の設置を呼び掛け、以降三重県内で図書館の開館が相次いだ。志摩においても1928年(昭和3年)11月30日に越賀村立図書館(越賀村、越賀小学校内)、1929年(昭和4年)5月1日に甲賀村立図書館(甲賀村、甲賀小学校内)、1932年(昭和7年)3月24日に波切町立図書館(波切町、波切小学校内)、1933年(昭和8年)3月31日に立神村立図書館(立神村、立神小学校内)、同年4月2日に私立志島村青年図書館(志島村、志島小学校内)、同年7月20日に片田村立図書館(片田村、片田小学校内)、同年12月12日に和具村立図書館(和具村)が開館した。1933年(昭和8年)に開館した図書館が多いのは図書館令改正が影響している。1937年(昭和12年)の記録によると、蔵書数が多いのは鵜方図書館(4,069冊)、波切町立図書館(1,266冊)、的矢村立的矢図書館(991冊)で、閲覧者数が多いのは和具村立図書館(7,354人)、越賀村立図書館(4,530人)、片田村立図書館(4,160人)であった。こうして図書館の開設が進んだものの、太平洋戦争の戦局が厳しさを増すにつれて有名無実の存在となり、そのまま閉館したものも多かった。 終戦後の混乱を乗り切り、活動を再開した志摩の図書館は、鵜方村立図書館(2,100冊)、的矢村立図書館(300冊)、磯部村立図書館(595冊)、越賀村立図書館(300冊)、甲賀村立図書館(393冊)、波切町立図書館(130冊)の6館であるが、閲覧者数は最も多い的矢村立図書館でも1日10人にすぎなかった。しかし1950年(昭和25年)の図書館法制定により、三重県の図書館は8館まで減少し、志摩から一旦図書館が消滅した。磯部町立図書館が開館するまでの間、志摩の図書館機能は公民館図書室が担うことになる。
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