金融商品としての通貨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:01 UTC 版)
通貨は長らく資産クラスとして認識されていなかった。その背景には債券・株式という古典的な資産クラスが、有価証券としての資金調達手段であるのに対し、通貨は投資家への収益が明確でなかったことがある。しかしながら、異なる通貨間市場(いわゆる外国為替市場)における金利差(キャリー)、購買力平価(バリュエーション)、基軸通貨ドルに対する直物市場のモメンタムの三要素を均等配分する形で通貨市場のβが創設されつつある。 為替は、その通貨に対する需要と供給で価格(為替レート)が決まる。為替レートが変化するのは、通貨を商品のように扱い、需要と供給の市場原理が働いているからである。為替レートは一刻一刻と変動し、通貨の価値が上下する。 マネー経済では、マネー自身が株などの有価証券として市場に流通し、その過程で利益をもたらす。つまり、モノ・サービスを介在せず、マネーが単独で市場を動いていく。円やドルを売買するように、通貨そのものは商品になる。変動相場制の下では商品を売買するのと同じように、自国通貨を売り(買い)、外国通貨を買う(売る)ことが行われる。 各国の通貨は、輸出入の代金の決済に使用されるが、資産としての性質も持っており、外国の通貨も資産となりうる。外国に投資するということは、その国の通貨建ての資産を持つということである。 2009年現在、ドイツ銀行の公表するDBCRとシティーバンクの公表する指数とでβ指数を争っている。両者の違いは新興国通貨を組み入れているか否かと、キャリー部分の配分が等配分か半分を占めるかというところにある。
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