金融再編(きんゆうさいへん)(reorganization of financial industry)
日本の金融構造は、大きく変わりつつある。まず、巨大銀行グループが形成されている。例えば、みずほファイナンシャルグループは富士、第一勧業、日本興業銀行らの合併で誕生する。同行の総資産は141兆円と、世界最大である。
従来、日本の銀行はどれも横並びで、大差なかった。これは、さまさまな規制によって、銀行業務が縛られていたからである。その代わり「銀行不倒神話」と言うように、護送船団方式で、国が各銀行を保護していた。
今、国は銀行の規制緩和を推進している。これまで縛っていた縄をほどいている。そのおかげで、銀行はいろいろと自由に業務を行えるようになった。巨大銀行もその例である。
ただし、国は、「銀行をこれまでのようには保護しないよ」と言っている。具体的には、ペイオフ解禁である。国が資本注入して銀行を救うことはない、というのがこれからの原則である。基本的に国は銀行に口出ししない。そのかわり「自由にするのだから自分の面倒は自分で見てください」という方針である。
これから先、銀行は法人や小口顧客からの厳しい選択を受けることになる。従来は重きを置かれてなかった株主資本利益率(ROE)も、重要視される。キャッシュフロー(現金収支)の充実も必要である。シティ銀行のように、海外の銀行も参入する。つまり、外国の銀行とも競争する時代になる。
この結果、廃業に至る銀行も現れるかもしれない。金融機関の市場淘汰が進むことになる。
(2000.08.13更新)
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