金本位制以外の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 16:29 UTC 版)
「グレシャムの法則」の記事における「金本位制以外の場合」の解説
グレシャムの法則は、主に金本位制時代の金貨や銀貨など、それ自体に価値のある貨幣に当てはまる。現代の管理通貨制度にもとづく紙幣など、貨幣額面より大きく安い価値の信用貨幣の場合は、インフレーションによる減価など違う意味に使われ、本来の金含有量の意味はほとんど当てはまらない。 また、良貨と悪貨の関係は、鋳造量にも影響される。11世紀と18世紀の中国では王朝が銅貨の大量鋳造を行い、良貨にあたる官銭が普及し、悪貨にあたる私鋳銭の流通が減少した。銅貨の私鋳は金銀貨よりも利益が少ないのが、その原因とされる。 国家による鋳造の減少と私鋳銭による鐚銭が横行して撰銭が行われた東アジア地域に関しても、この法則に当てはまるかどうかの議論が行われている。15世紀末から16世紀後半にかけては、中国沿岸部と西日本は非公式な貿易を通して銭貨が流通し、高品位の精銭と低品位の鐚銭が混在した。西日本では地域の市場で鐚銭が用いられ、遠隔地の貿易には精銭を用いるという用途に応じた役割分担が発生した。この場合は、良貨と悪貨は代替的ではなく、補完的な関係にあった。
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