野菜としての栽培
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 03:41 UTC 版)
その後、9世紀頃に野菜としての栽培が広まった。現在日本で普及しているものは、12世紀から13世紀のイタリアで品種改良されたものが起源とみられる。13世紀のイギリスでは、現在のような球結性のキャベツの記録が残されている。13世紀から18世紀にかけて中世ヨーロッパでは、小作人など貧しい農民たちのあいだで自ら食べる分の食料として非課税対象であったキャベツを含む野菜が重宝され、穀物畑のすき間の空き地や農民の自家菜園で栽培された。18世紀のイギリスでは、耐寒性があるキャベツは、穀物飼料が不足する冬場の家畜の餌として適していたため、冬期の飼料作物として本格的に栽培されるようになっていた。 15世紀末にクリストファー・コロンブスが新大陸に到達してからは、16世紀から17世紀にかけてヨーロッパからの入植者たちの手によってキャベツ栽培が始められ、新世界全域に定着した。18世紀にアメリカ合衆国へ渡ると、より肉厚で柔らかく改良が進んだ。アメリカの先住民にとっても、交易をきっかけにキャベツ栽培が行われるようになった。19世紀のヨーロッパの貧農民にとってキャベツは生活の糧として最後の頼みの綱といえる野菜であり続け、アメリカの多くの貧しい労働者階級の家庭でもジャガイモと並んで毎日食卓に上がる安価でありふれた野菜であった。19世紀末には、輸送手段が発達したことにより、遠隔地間のキャベツの売買が可能になった。たとえばアメリカでは、夏は北部で生産したキャベツを南部に供給し、冬を越すころには南部産のキャベツが北部に送られた。
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