野球ゲームとしての問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 04:18 UTC 版)
「燃えろ!!プロ野球」の記事における「野球ゲームとしての問題点」の解説
音声機能を使うなど、先進的・野心的なゲームではあったが、『ファミスタ』と比較するとゲームとしての見劣りはどうしてもぬぐいきれなかった。バントホームランなどの笑える一面もあったが、それらのアラが真剣にゲームをプレイする気持を萎えさせたことは否定できない。 発売時、大量に出回った初期版では「ファウルの後どこに投げてもストライクと判定される」という現象があった。さらに、表示される打率・ホームラン数も選手の能力に反映されていない場合が多く、「HT CLUB」のヤキ゛の走力がなぜか全選手中最高の10(他の選手の最高値は9)になっているという設定はその顕著な例であった。これらの問題から、ジャレコ本社には発売初日からクレームの電話が殺到したため、出回った製品を回収してデータを更新せざるを得なくなり、社員総出で徹夜で過酷なソフト改修作業を行ったという。今のようなデータのみの改修ではなく「パッケージを破壊して中のROMを差し替える」という荒っぽい作業だったためケガ人も多かったという。 リアルなグラフィックを売り物にしたが、その反面、操作性が劣悪なものになっている。ピッチングとバッティングも操作が困難だったが、特に守備では、ボールがバットのどこに当たってもフライになり(バントホームランが発生するのもこのためである)どの野手が操作可能かもわかりづらく、球場が広いうえに移動速度も遅いためフライが捕球できず、ゴロ処理の送球も悪送球になりやすい、という野球ゲームにとって致命的な欠陥が曝け出された。 1試合あたりの所要時間は、『ファミスタ』が通常20分程度で終わるのに対し、50分ほど掛かる。対コンピュータモードはペナントレースモードしかなく、11チーム相手(OBで構成されたStは除く)に1カード3連戦を戦い、132試合中80勝すると優勝=エンディングとなる長丁場である。そのため、あと1勝で優勝できるパスワードがゲーム雑誌の裏技面に載ったほどだった。今日のスポーツゲームにも見られる、ゲームとしてのテンポと表現のリアルさの対立がこのころから存在したことになる。
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