都心と中心部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 15:36 UTC 版)
都市は、行政機能・業務機能・商業機能(卸売・小売)・飲食機能(外食)・宿泊機能など、いくつもの機能を持ち合わせているが、「都心」という場合は、業務機能が集積する中心市街地を指すことが多い。 東京・大阪・名古屋の三大都市圏では、地区による機能分担が進み、広大な中心業務地区を有している。東京大都市圏(首都圏、関東地方)においては東京の中心部を指した「東京都心」または「東京都心部」の略として、単に「都心」という言葉が頻繁に使用される。 三大都市圏以外の大都市のうち、札幌都市圏・仙台都市圏・広島都市圏・福岡都市圏は大企業の本社は少なく、地域子会社や支社・支店、および地元企業が集まる「支店経済」型の中心業務地区が形成されている。製造業が発展している北九州都市圏では、業務機能が工業地に分散されるため都心の規模はその人口と比べ小さい。業務対象地域の人口規模によっては業務よりも商業(物販・サービス)における富の方が大きい場合もある。 さらに小規模な都市においては、工業の発達や交易、交通の要衝(卸売)として、あるいは地方を管轄する機能の存在(金沢市・高松市など)により人口増が見られたが、業務対象地域の人口が決定的に少ないため、中心部は業務機能よりも商業が富の中心となり、人口規模に応じた「中心部商業地」のみが存在していた。このような業務による求心力がない中心部は、近年の郊外ロードサイドショップや郊外大規模小売店(GMS など)の登場、大病院の郊外移転などにより、急速に空洞化が進行している。ただし、郊外店は主に、最寄品から買回品のみ扱うため、高級な買回品から専門品を求め大都市中心部の商業地へ向かう購買行動が見られる。
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