部位別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 14:52 UTC 版)
堅帽子(かたぼうし) 三ツガケ、四ツガケ、諸ガケに見られる現在最も一般的な作り。帽子(親指)に「角(木、または水牛等の角を指筒状にくりぬいた芯材)」が仕込まれていて、それに覆われた親指先の自由度はまったくない。弦の圧力が親指に直接かかることがなく親指への負担が少ないため、矢数を掛けることに適している。親指根部分に弦を掛ける段差(弦枕)があり、弦枕の形状は射の運行、矢の飛び方に関わる極めて重要な部分。帽子から控えまで固めた「堅帽子・控え付き」が現在もっとも一般的な作りで、「本ガケ」とも呼ばれる。 柔帽子・和帽子(やわらかぼうし・わぼうし) 帽子(親指)に固めのための角が入っておらず、革が2枚以上重ねてあるのみである。このため親指の自由が利き、“離れ”の際に余分な抵抗がないため有利であるとされる。 柔帽子・控え無しの三ツガケは、弦を掛ける感触がつかみやすく、また手首が自由であることから、初心者が弓を引き始めるころ、または未経験者が体験的に弓を引く際に使わせることもある。弓道用のゆがけの中ではもっとも歴史が古く、武士が使っていたゆがけに近い作りをしている。 節抜き(ふしぬき) 帽子の角の親指背にあたる部分がくりぬかれ開いている造り。親指全周を固めないため、親指の太さに合わせやすい。堅帽子のゆがけの作りの一種で、竹林ガケ等が節抜き。 控え付き(ひかえつき、俗称) 手首(控え)部分に固めのための硬い牛革などが入っている。三ツガケ、四ツガケに見られる、もっとも一般的な作り。柔帽子・堅帽子の別なく見られる造りの一種で、控えを固めることによって手首〜親指根の自由がなくなり、手首が安定しやすい。「堅帽子・控え付き」が現在もっとも一般的な作りで、「本ガケ」とも呼ばれる。“離れ”において、控えの固めがばねのように働き親指の跳ね上げが促され、弦の運行を妨げないとされる。 控え無し(ひかえなし、俗称) 『控え付き』に対して、手首(控え)部分に固めが入っていない。三ツガケに見られる。また、諸ガケはもともと騎射ガケの流れを汲むため控えがない。柔帽子、堅帽子の別なく見られる造りの一種で、堅帽子では手首の固めがないことから親指の動きが比較的自由になるため、“離れ”において弦の運行を親指がじゃましにくいとされる。
※この「部位別」の解説は、「ゆがけ」の解説の一部です。
「部位別」を含む「ゆがけ」の記事については、「ゆがけ」の概要を参照ください。
- 部位別のページへのリンク