遺伝子分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 05:41 UTC 版)
現代のマレー人の遺伝子研究は、マレー人が複雑な遺伝的混合を経ていることを示している。遺伝子分析からは、マレー人は遺伝的に多様であり、内部の集団間で相当な変異があることが明らかになった。変異は長期間にわたる地理的隔離と独立した混合によっておこった可能性が考えられる。研究からは、典型的な単一の遺伝子構成ではなく、4つの祖先(オーストロネシア人、プロトマレー、東アジア人、南アジア人)に由来する構成成分をもつことが示されている。 マレー人の遺伝子を構成する最も大きな成分はオーストロネシア系先住民とプロトマレー由来のものである。オーストロネシア人の構成成分は台湾のアミ族やアタヤル族の人々と関連があり、東南アジア人のオーストロネシア系成分の遺伝子分析からは「出台湾」説が支持される。一方でその成分の多くは土着のものであり、台湾由来のものはもっと少ないと主張する人もいる。プロトマレーは雲南から移住してきたことが遺伝的に証明されており、それは4000-6000年前である。南アジア人インド人との混合は古代(インドネシア・マレー人の一部では2250年前と推定されている)と考えられる。一方で東アジア人(中国人)との混合は最近(100-200年前)と考えられるが、ジャワでは一部15世紀よりも前に起こったようである。その他にも少数の構成成分として、ネグリト(マレー半島の先住民)や中央アジア人やヨーロッパ人があり、彼らとの混合は175-1,500年前に起こったと推定される 。 マレー人内においても、マレー半島の南部と北部で遺伝的にクラスターが異なっている。
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