遺伝子と調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 13:35 UTC 版)
ヒトでは、E-セレクチンはSELE遺伝子にコードされている。C型レクチンドメイン、EGF様ドメイン、SCRリピート、膜貫通ドメインはそれぞれ別個のエクソンにコードされており、細胞質ドメインは2つのエクソンからなる。1番染色体上のE-セレクチンの遺伝子座はL-セレクチン(英語版)の遺伝子座と隣接している。 バイベル・パラーデ小体と呼ばれる小胞に貯蔵されているP-セレクチン(英語版)とは異なり、E-セレクチンは細胞内に貯蔵されず、細胞表面での発現には転写、翻訳、そして表面への輸送が必要となる。E-セレクチンの産生はP-セレクチンの発現によって刺激され、P-セレクチンはTNFα、IL-1、リポ多糖によって刺激される。サイトカインの認識後、E-セレクチンが血管内皮細胞の表面に発現するまでには約2時間かかる。E-セレクチンの発現はサイトカインによる刺激から6–12時間後に最大となり、24時間以内に基底レベルへと戻る。 ずり応力もE-セレクチンの発現に影響を与えることが知られている。強いせん断流は虚血再灌流障害時にみられるIL-1βに対する急性応答を亢進する一方、迅速にE-セレクチンをダウンレギュレーションして慢性的な炎症から保護する。 ゲニステイン、ホルモノネチン、ビオカニンA(英語版)、ダイゼインなど、エストロゲン様の生物学的活性を示す植物由来化合物であるフィトエストロゲンやそれらの混合物は、細胞表面や培養上清中のE-セレクチン、VCAM-1、ICAM-1の量を減少させることが判明している。
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