遮蔽機能を持つもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 08:46 UTC 版)
空間中のX線やガンマ線などに対してある程度は有効だが、ガンマ線を遮蔽する能力を持つ遮蔽体はたいへん重い(鉛ですら厚さ10センチを必要とするガンマ線を遮蔽できる防護服を作るとするならば、総重量が少なくとも100キログラム以上に達するという)また、メートル単位の厚さがなければ中性子線は防ぐことが出来ないため、完璧な防護服は存在しない。放射性物質の付着・吸引などが考えられないケースでは、気密性などは求められない。 簡易的な遮蔽機能をもつものの例では、生殖器や腸のような人体で放射線の影響を特に被り易い部分のみを防護する物もあり、一般で利用されている例では、歯科などのレントゲン撮影で被写体の体に掛けられる鉛入りの重いエプロンが挙げられる。これは防護対象がレントゲン装置から出るX線のみであるため厚さ数ミリでも有効だが、原子炉などからでるガンマ線や中性子線に対しては効果が無い。チェルノブイリ原子力発電所事故においては作業員が使用したが、効果の程は明らかでない。 頭部や顔面の被曝を防ぐ物では、顔の全面に鉛を含有した特殊なアクリルバイザーを装備、視界を確保したままで、一定の防護性をそなえる物もある。とは言え、先にも挙げた通り、透過性や被曝をゼロと出来る訳ではないので、身体への曝露量が所定被曝量に達する前に作業を終わらせて、すみやかに適切な遮蔽のある安全な区域へと移動する必要がある。
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