運動調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 10:09 UTC 版)
前頭葉は、推論、運動調節、感情、言語に関わっている。前頭葉の運動野(英語版)は、随意運動の計画と調整に関わっている。前頭前野は、高次認知機能を果たしている。ブローカ野は、言語の生成に不可欠である。脳の運動系は動作を開始しそれを制御する役割を果たす。その運動指令は、脳から神経を介して体の各部位の運動ニューロンに伝えられ、それが筋肉の動作を制御する。皮質脊髄路は脳から脊髄を通って胴と四肢へと運動指令を伝える。脳神経は、目、口、顔面に関する動作に関わる。 腕や脚を動かすといった動き全体は運動野で作り出され、その運動野は3つの部分に分けられる。まず中心前回の一次運動野は、体の各部位にそれぞれ対応する体部位局在した領域の組み合わせで構成されている。それらによる随意運動は他の2つの領域、すなわち一次運動野の吻側にある運動前野(英語版)と補足運動野(英語版)により補完・調整される。手と口は体の他の部位に比べるとかなり広い領域が割り当てられており、より繊細な動作を可能にしている。これは運動性ホムンクルスという姿で視覚的に表現されている 。運動皮質で生じたインパルスは皮質脊髄路を伝わり、それは延髄の腹側を通り、錐体交差(英語版)で左右がX字に交差する。そこからさらに脊髄を下行するが、その大半は元は灰白質の介在ニューロン(英語版)に接続しており、順に下位運動ニューロンに接続して筋肉を動かすインパルスを伝える。小脳と大脳基底核も複雑で協調した筋肉の動作の実現に役割を果たす。皮質と大脳基底核との連絡は、力加減、姿勢、動作の開始を制御しており、錐体外路系と呼ばれる。
※この「運動調節」の解説は、「ヒトの脳」の解説の一部です。
「運動調節」を含む「ヒトの脳」の記事については、「ヒトの脳」の概要を参照ください。
- 運動調節のページへのリンク