近年の様相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 07:36 UTC 版)
アントニオ・シセリ『 Ecce Homo 』、1871年。 ムンカーチ・ミハーイ『 Ecce Homo 』、1896年。 ロヴィス・コリント『 Ecce Homo 』、1925年。 特に19、20世紀において、エッケ・ホモの主題は、苦しみの描写と、暴力や戦争を通して人間の退廃にまでその意味を広げた。20世紀の特筆すべき作品はロヴィス・コリントのもの(1925年)で、群衆の視線で、イエス、兵士、医師服を着たピラトを描いている。第二次世界大戦のホロコーストを経て、1948年オットー・ディクスは、エッケ・ホモのキリストのイメージに重ね、有刺鉄線に囲まれた強制収容所にいる自画像を描いた。 対照的に、1871年アントニオ・シセリ画の『 Ecce Homo 』では、キリストとピラトの立つバルコニーが背中側から写実的に描かれ、ピラトに至っては顔も見えない。群衆は遠くの集団として描かれて個々の区別もつかず、通常は脇役となるピラトの側近や兵士、秘書や妻に焦点があてられている。 19世紀スペインの画家エリアス・ガルシア・マルティネスによるフレスコ『 Ecce Homo 』は、2012年8月その修復が世界的な注目を浴びた。セシリア・ヒメネスと名乗る女性がなんら専門知識も技術も持たないで修復に取り組んだ結果、イエスの姿が「毛むくじゃらの猿」のようになってしまったのである。「猿のキリスト」の絵は有名になり、人々が見物に押し寄せるようになった。町が入場料をもうけたところ、2013年8月現在で、50,000ユーロ以上の寄付金が集まった。
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