近年の検証番組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/31 23:33 UTC 版)
「エンプレス・オブ・アイルランド」の記事における「近年の検証番組」の解説
2005年にカナダのテレビ映画 The Last Voyage of the Empress が放映された。歴史的な資料や再現モデル、水中調査などを元に再検証を行う番組であった。この番組では事故の主要な原因は霧によるものだが、ケンドール船長がそれを悪化させたとしている。船長は会社が売りにしていた速度を追求するため、安全な手順を踏まなかったと見ている。 速度を維持したままストールスタッドを最短進路で通過するため、右舷対右舷で通過しようとしていた元の進路に戻ろうとケンドール船長は考えた。ケンドール船長は霧の中でまず右舷に転舵した。この操艦によりストールスタッドの船長アンダーソンからはエンプレス・オブ・アイルランドの舷灯が両側とも見えた。このことからエンプレス・オブ・アイルランドはストールスタッドを以前とは反対側、左舷で通過しようとしていると考えられ、彼は衝突を避けるため右舷に転舵した。しかし、エンプレス・オブ・アイルランドは最短進路を取ろうと左舷への転舵を続けており、衝突が起こったとしている。 番組では、両船は霧の立ち込める状態の中、踏みとどまることができなかったことが原因であったと結論付けている。エンプレス・オブ・アイルランドが進路を逸れるのを見てストールスタッドも逸れてしまったが、両船ともに進路を維持すべきであったとしている。番組の水槽を使った再現では、エンプレス・オブ・アイルランドは衝突時に静止していなかったことが明らかになった。また水中調査で船の電報を確認した結果、水密扉を閉めるように指示したという船長の主張は、おそらく本当ではないことも明らかになった。
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