近代軍事学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/22 00:30 UTC 版)
フラーはこのような議論を踏まえながら、1920年に軍事学の理論的な基盤としての戦いの原則を発表し、それは1921年にアメリカの戦争省訓練規則10-5で正式に採用されている。そこでは目的、攻勢、物量、戦力の節約、運動、奇襲、警戒、簡明、そして協調の9個の原則がリスト化された。これは1986年版の米陸軍の野戦教範100-5にも改良した上で採用され続けており、以下のような整理がなされている。 目的の原則とは軍事作戦が達成するべき目的を明確に方向付ける原則。 攻勢の原則とは戦いの主導権を獲得、維持、発展させる原則。 物量の原則とは戦闘力を決定的な地点と時点に集中させる原則。 戦力節約の原則とは本質的な戦闘力を無駄なく配置させる原則。 機動の原則とは戦闘力の柔軟な適用を通じて敵を不利な地点に位置させる原則。 指揮統一の原則とは全ての目的が一人の責任ある指揮官のもとで統合されている原則。 警戒の原則とは敵が不測に前進行動することを決して許さない原則。 奇襲の原則とは敵が予想していないある時点または地点において敵を打撃する原則。 簡明の原則とは行動の計画を簡潔かつ明快に準備しておく原則。 このような戦いの原則は、戦争のあらゆる局面に対処するための一般的な指針を示すことができるものとして軍事教育でも示される。将校が戦術的な概念を理解し、任務を遂行するための基礎的な思考様式を獲得するための教育で、戦いの原則は用いられ続けている。
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