車名の変更と車両型式との不一致
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 06:58 UTC 版)
「モデルチェンジ (自動車)」の記事における「車名の変更と車両型式との不一致」の解説
1960年代以降の日本や北米ではフルモデルチェンジでプラットフォームや車格が変更され、車両型式継承されない場合でも、営業上の都合から旧来からの車名を引き継ぐことが通例となっている。しかしそれとは逆に、歴代型や現行型にネガティブなイメージがある場合や、新型でユーザー層を大きく変えたい場合、車両としては通常のフルモデルチェンジでありながら全く新しいペットネームが与えられる場合がある。その場合は車両型式も旧型の系列を引き継いでおり、基本的なコンポーネントの多くも流用されている。またイタリアやフランスのメーカーではモデルチェンジ毎にペットネームを変更するのが通例だった時代があり、例を挙げるとフィアット・600、850、127、ウーノ、「フィアット・プント」や、アルファロメオ・ジュリエッタ、75、155、156、159。ルノー・14、11、19、メガーヌなどはフルモデルチェンジ毎に車名を変更していたが、2000年代に入った辺りから同じ車名を継続することが多くなった。 トヨタ自動車の「カリーナ」から「アリオン」へのモデルチェンジは、生産設備や基幹部品の変更を最小限に抑えながらブランド力の低下を打破し、若年層の取り込みによる販売台数の増加をねらったものとされるている。ほかにも似たようなケースは多くあるが、1990年代以降、各メーカーが長く主力としてきた、伝統ある車種でこのようなケースが目立っている。 また、別車種であることを消費者に認識させるために、メーカー自身が先代車種の後継車である事を否定するためにもこの手法が用いられる。この場合、後継車というより絶版車種の穴埋めとして発売されたものという意味合いもある。トヨタ自動車のアイシスとガイアの関係では、販売形態から、メディアなどでは後継車として扱われるアイシスも、実際には新規に開発された車種である。 逆に、同一車両であるにもかかわらず市場毎に別の名前が付けられる場合もある。近年日本国内で販売された日本車としては三菱・ランサー(7代目)のケースがある。世界的には全てのモデルが基本的にランサーの名称で販売されるにもかかわらず、日本市場ではホットモデルのランエボを除き上級車種ギャランの名を冠したギャランフォルティスの名称で販売されている。さらには、日産・ADのOEM供給を受けたライトバンにランサーカーゴの名称を付ける事態まで起こっている。大衆セダンについてはギャランフォルティスの登場後しばらく併売されていた6代目が生産終了となり、日本においてはそのネーミングを受け継ぐモデルこそあるものの、大衆セダンとしてのランサーの歴史にはピリオドが打たれた。
※この「車名の変更と車両型式との不一致」の解説は、「モデルチェンジ (自動車)」の解説の一部です。
「車名の変更と車両型式との不一致」を含む「モデルチェンジ (自動車)」の記事については、「モデルチェンジ (自動車)」の概要を参照ください。
- 車名の変更と車両型式との不一致のページへのリンク