警察庁と都道府県警察の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:54 UTC 版)
「日本の警察」の記事における「警察庁と都道府県警察の関係」の解説
日本の警察組織は都道府県が主体となって設置され(警察法第36条)、都道府県が国の法定受託事務(かつての機関委任事務)として行う事務ではないため、一般的には自治体警察とみなされることが多い。しかしながら、都道府県公安委員会ではなく警察庁が都道府県警察への指揮命令権を有することや、警視正(職制としては警察本部の主要課課長、主要所轄署の署長)以上の幹部は国家公務員たる地方警務官であることから、実態は国家警察と自治体警察の折衷型に近い。 アメリカ合衆国の警察の場合も同様に「警察委員会」が市レベルから置かれるが、日本のそれよりも権限が強い。性格としては日本の消防が似ている。特に、ニューヨークやサンフランシスコなど大都市圏警察の本部長は市長の直接指揮下に置かれ、処分や勧告・罰則なども市長→警察長→市警察官といった手順で行われる。これに対して日本の場合は警視庁(東京都の警察)を例にとっても都知事→警視総監という序列にはなっておらず、法令上、警視総監は都知事の直接的な指揮下には置かれていない。警視庁は東京都が設置した警察行政機関であるが、警視総監に処分を下せるのは国家公安委員会(警察庁)のみである。 地方警務官制度の建前としては、国家公安委員会が都道府県公安委員会の同意を得て人事が行われることになっているが、これまで一度たりとも都道府県公安委員会が拒否権を発動した事例は無く、都道府県警察の主要幹部はすべて警察庁人事での決定を追認している。また、公安警察に関する予算は国庫支弁となっており、都道府県警察の公安部門は警察庁の直接指揮下にある。
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