試掘権
【英】: exploration right
わが国の鉱業法上の鉱業権の一種類であって、将来採掘を行うための準備として、鉱物を探査する排他的・独占的権利であると解されている。試掘権の行使とは坑道探鉱や試錐{しすい}などを指すが、物理探鉱や露頭探鉱も含まれる。また試掘権には、坑道探鉱や試すいによって採掘される鉱物を取得し、これを処分する権利も含まれている。試掘権の存続期間は、登録の日から 2 年で、その後 2 回(石油については 3 回)の延長が認められている。存続期間の延長は、誠実に探鉱した事実が明らかであって、さらに探鉱を継続する必要があり、鉱区税の滞納をしていないときに許可される。試掘権者は、鉱床の賦存が明らかになったときに、当該地域について、優先的に採掘権を取得することができる(採掘転願という)。 |

鉱業権
(試掘権 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/21 14:19 UTC 版)
鉱業権(こうぎょうけん、英語: mining right)とは、鉱物を探鉱・開発・生産し、生産物を取得・処分する権利[1]。
鉱業権には、試掘権(英語: Prospecting right)[注釈 1]と採掘権(英語: mineral right)がある[3][4]。
日本における鉱業権
英米法では土地所有権の支配下にある私権とされているが、大陸法系のドイツ法が継受された日本においては「無主の鉱物は国に属する」と規定され(鉱業法第2条)、土地所有権とは別個の権利とされる[1][5]。したがって、たとえ土地所有者であっても鉱業権によらずに法的鉱物を採掘・取得した場合は違法行為(盗掘)となる[1][3]。
鉱業法(昭和25年12月20日法律第289号)第5条では登録を受けた一定の土地の区域(鉱区)において、登録を受けた鉱物及びこれと同種の鉱床中に存する他の鉱物を掘採し、及び取得する権利をいう。なお、鉱業権の詳細な規定については鉱業法に規定されている。
鉱業権者
鉱業権者となる者は、条約で別段の定めがない限り、日本国民又は日本国法人でなければならない(鉱業法第17条)[3]。
鉱業権の設定[注釈 2]は、経済産業大臣に出願してその許可[注釈 3]を受けなければならないとされ、先願主義が採られている(鉱業法第21条)[3]。
鉱業権の種類
鉱業権には次の2種類がある(鉱業法第11条)。
- 試掘権
- 採掘権
鉱業権の性質
- 鉱業権は、物権とみなされ、鉱業法に別段の定がある場合を除く外、不動産に関する規定が準用される(鉱業法第12条)[4]。
- 鉱業権は、相続その他の一般承継、譲渡、滞納処分、強制執行、仮差押え及び仮処分の目的となるほか、権利の目的となることができない。ただし、採掘権は、抵当権及び租鉱権の目的となることができる(鉱業法第13条)[4][6]。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
「試掘権」の例文・使い方・用例・文例
- 試掘権
- 試掘権という権利
試掘権と同じ種類の言葉
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