詞とメロディ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 23:39 UTC 版)
「ハンプティ・ダンプティ」の記事における「詞とメロディ」の解説
現代においては一般に以下の形の詞が知られている。 Humpty Dumpty sat on a wall, Humpty Dumpty had a great fall. All the king's horses and all the king's men Couldn't put Humpty together again. ハンプティ・ダンプティが塀に座った ハンプティ・ダンプティが落っこちた 王様の馬と家来の全部がかかっても ハンプティを元に戻せなかった AABBの脚韻のパターンをもつ一組の四行連の詩であり、韻律は童謡においてよくつかわれるトロカイオスである。詩はもともとは「卵」をその答えとするなぞなぞ歌として作られたものと考えられるが、その答えが広く知れ渡っているため、現在ではなぞなぞとして用いられることはほとんどない。メロディーは一般に、作曲家であり童謡収集家だったジェイムズ・ウィリアム・エリオット(英語版)が、その著書『わが国の童謡と童歌』(ロンドン、1870年)において記したものが使われている。童謡とそのヴァリエーションを番号をつけて編纂しているラウド・フォークソング・インデックスにおいては13026番に記録されている。 『オックスフォード英語辞典』によれば、「ハンプティ・ダンプティ」(Humpty Dumpty) という言葉は、17世紀においてはブランデーをエールと一緒に煮た飲み物の名称として用いられていた。さらに18世紀になると「ずんぐりむっくり」を意味するスラングとしての用法も現われている。ここから「ハンプティ・ダンプティ」の語は、おそらく上述のなぞなぞにおける一種のミスディレクションとしてこの童謡に採用されたものと考えられる。この想定の上に立てばこのなぞなぞは、「ハンプティ・ダンプティ」がもし「ずんぐりむっくりの人間」のことであるならば、塀から落ちたとしても大きな怪我を負うはずはないだろう、という想定を根拠として成り立っているということになる。 また hump には「こぶ」という意味があるほかにこれだけで「ずんぐりむっくり」を表すことがあり、dump には「どしんと落ちる」という意味もあるため、Humpty Dumpty という名前の中にすでに「ずんぐりしたものがどしんと落ちる」という出来事が暗示されていると考えることもできる(後述の『鏡の国のアリス』には、ハンプティ・ダンプティが「僕の名前は僕の形をそのまま表している」と述べる場面がある)。このほか、Humpty は Humphrey という名前に通じる一方、Dumpty は Humphrey の愛称である Dumphy や Dump に似ているという指摘もある。 「ハンプティ・ダンプティ」と同様のなぞなぞ歌は、民俗学者によって英語以外の言語においても記録されている。フランス語の "Boule Boule"(ブール・ブール)、スウェーデン語・ノルウェー語の "Lille Trille"(リル・トリル)、ドイツ語圏の "Runtzelken-Puntzelken"(ルンツェルケン・プンツェルケン)または "Humpelken-Pumpelken"(フンペルケン・プンペルケン)といったものであるが、いずれも英語圏におけるハンプティ・ダンプティほどに広く知られているものではない。
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