計量法におけるピーエッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 01:21 UTC 版)
「水素イオン指数」の記事における「計量法におけるピーエッチ」の解説
計量法におけるピーエッチは、濃度の計量単位であり、“モル毎リットルで表した水素イオン濃度の値に、活動度係数を乗じた値の逆数の常用対数”である。計量法では、pHの読みが「ピーエッチ」という位置付けではなく、「ピーエッチ」そのものが計量単位であり、ピーエッチの単位記号が「pH」である。計量法・計量単位令・計量単位規則では、「水素イオン指数」と「水素イオン濃度指数」の2語は用いられていない。 「pH」は、単位以外のものを表すのにも用いられる。例として、特定計量器であるガラス電極式水素イオン濃度計を定める工業規格 (JIS B 7960) における記号pHの使用法を示す。 pH単位で表した水素イオン濃度(物象の状態の量)を、記号 pH で表してもよい。「溶液の pH に比例する起電力を…(第1部 p. 1)」 pH単位で表した水素イオン濃度の値を、pH 値と呼ぶ。「pH7.000, pH6.86 又は pH6.865 の pH 値に対する理論起電力を用いて…(第2部 p. 2)」 pH単位で表した水素イオン濃度の値が 6.86 であれば、これを pH6.86 と書く。記号は数値の左側に空白を入れずに書く。「pH7.000, pH6.86 又は pH6.865 の pH 値に対する理論起電力を用いて…(第2部 p. 2)」 pH単位で表した水素イオン濃度の差は、数値の右側に空白を入れて単位記号を書く。「1 pH 当たりの理論起電力(第1部 p. 2)」「指示計の目量は,0.02 pH 以下とする(第2部 p. 3)」 数式中の pH 値は、記号 pH で表す。イタリック体にはしない。「E=59.16×(7.000−pH) (mV)(第2部 p. 4)」 JIS B 7960 には、ピーエッチ (pH) を定義する文言はない。この規格が引用している JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)と JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)では、pHを“水素イオンの活量の逆数の常用対数”と定義している。なお、これらの規格で用語として定義されているのは「ピーエッチ」ではなく、「pH」である。また、「ぴーえっち」の他の読みとして「ぴーえぃち」と「ぴーえいち」が挙げられている。 “モル毎リットルで表した水素イオン濃度の値に、活動度係数を乗じた値の逆数の常用対数”と“水素イオンの活量の逆数の常用対数”は同じものである。ただし、これは概念上の定義で実測できない値であるので、実際のpH測定に当たっては JIS Z 8802 に規定されている操作的定義を用いる。
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