言及・参照
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 16:24 UTC 版)
「エピメニデスのパラドックス」の記事における「言及・参照」の解説
エピメニデスの著作は全く現存しておらず、他の作家の引用の形でしか現存しない。エピメニデスの Cretica からの引用は Frank E. Gaebelein が編集した The Expositor's Bible Commentary の第9巻にある R.N. Longenecker の "Acts of the Apostles" にある(Grand Rapids, Michigan: Zondervan Corporation, 1976-1984, 476ページ)。Longenecker はさらにシリア語の M.D. Gibson, Horae Semiticae X (Cambridge: Cambridge University Press, 1913), page 40 を引用している。Longenecker は次のような脚注を付記している。 その四行連句のシリア語版はシリアの教父 Isho'dad of Merv によるもので(おそらくモプスエスティアのテオドロスの著作に基づく)、それを J.R. Harris が Exp ["The Expositor"] 7 (1907), p 336 でギリシア語に再翻訳したものである。 論理学の文脈におけるエピメニデスの遠まわしな言及として、W. E. Johnson の "The Logical Calculus", Mind (New Series), volume 1, number 2 (April, 1892), pages 235-250 がある。Johnson は脚注に以下のように記している。 そのような誤謬の例として「エピメニデスは嘘つきだ」または「その表面は赤い」が挙げられ、それらは「エピメニデスの発言の全部または一部は偽である」や「表面の全部または一部は赤い」と解釈することができる。 エピメニデスのパラドックスを明確に扱った文章としてバートランド・ラッセルの "Mathematical Logic as Based on the Theory of Types"(American Journal of Mathematics, volume 30, number 3 (July, 1908), pages 222-262)がある。その冒頭には次のように記されている。 そのような種類の矛盾として最古のものはエピメニデスのそれである。クレタ人のエピメニデスは全てのクレタ人が嘘つきだと述べ、クレタ人が発した全ての言葉は嘘だとした。これは嘘だろうか? この論文の中でラッセルはエピメニデスのパラドックスを様々な問題を論じる出発点とした。それは例えばブラリ=フォルティのパラドックスや今ではラッセルのパラドックスと呼ばれることになったパラドックスなどである。ラッセル以降、論理学ではエピメニデスのパラドックスへの言及が繰り返されるようになった。典型例としてダグラス・ホフスタッターの『ゲーデル、エッシャー、バッハ』があり、自己言及について論じる際にこのパラドックスを特筆している。
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