覿面の罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 01:31 UTC 版)
覿面の罪(てきめんのつみ)は天綱に定められた最も重い罪の1つで、「軍兵をもって他国を侵すこと」をいう。「王も麒麟も数日のうちに斃れる」とされる。なお、禁じられているのは『(他国の主権を)侵す』事(侵略など)であって、兵士が他国に『立ち入る』事(王の身辺警護としての同行や、使節としての訪問など)自体は禁じられていない。 過去の実例として、遵帝の故事がある。慈悲深い名君として知られた才の遵帝は、『荒廃に苦しむ隣国の民を自国に救出するため』に出兵したところ、軍の越境から程なく、王と麒麟が通常ではありえない突然の変死を遂げた。出兵は人道に則ったもので、天網に背く行為とは誰も認識していなかったため、それが覿面の罪であるとは当初誰にも分からなかったが、次王が御璽の国氏の変化に気付いたことで遵帝の行為が覿面の罪に当たると認識された。なお、この罪は軍隊の侵入にとどまらず、麒麟が使令だけを送り込むことも『侵す』事に該当する。軍事力を以て他国を支援する場合、覿面の罪を回避するために、その国の王や仮王など正当な国家主権を持つ者からの正式な依頼が必要となる。 国氏が変わるということは王が非常に重い罪を犯したことを意味するものであり、過去に国氏が変わった同様の例としてあげられているのは、「失道で麒麟が死んだ事に逆上し、次の麒麟が生まれてこないようにするために蓬山に侵入して捨身木を焼き払い、女仙を皆殺しにした」戴極国の王の事例がある。 アニメでは覿面の罪の定義そのものが原作と異なっており、「天命に逆らい人道にもとる事」・「天命なしに死を選ぶ(≒禅譲する)事」・「他国に侵入する事」の3つが覿面の罪であるとされている。とはいえ、この3つは原作においても「王が行ってはならないこと」であるとされている。
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