要件・特権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 00:08 UTC 版)
会派を形成して活動することで、欧州規模の政党は有利な点が得られる。たとえば、欧州自由連盟は5議席を、欧州緑の党は48議席を有しており、このほかにも数名の議員が参加して計55議席を有する会派「欧州緑グループ・欧州自由連盟」を形成することで、別々に行動するよりも強い影響力を持つことになる。また会派を形成して協力することにつながる背景には、議会から財政面での支援が受けられたり、無所属議員には割り当てられないような委員会の委員の席が得られるようになったりする。 会派が議会において正式に認められるためには、議院規程の第30条の定めに従わなければならない。これによると、議員の出身国の構成が全加盟国の4分の1以上であり、議員の合計が25人以上でなければならない。さらにいずれの議員も複数の会派に所属してはならず、また会派に属する議員は共通の政治理念を持たなければならないともされている。これらの条件を満たせば、理論上はどのような会派でも議員は結成することができる。このような条件は一部の議員が極右会派「独立、伝統、主権」の結成にあたって真価が問われた。「独立、伝統、主権」の結成は議論を呼び、極右会派に欧州議会の予算を与えるべきかということに関心が集まった。結局のところ新会派の結成阻止はならなかったが、すべての会派に与えられるはずの委員会での委員長ポストを与えることについては阻止することができた。 従来はこの会派成立要件について、議員が20名以上で、議員の出身国の構成が全加盟国の5分の1以上と規定されていた。しかし一部の議員、とくに2大会派からこの要件の引き上げを求める声があがった結果、上述のように変更された。ただこの変更にあたっては多くの議員から民主主義に反するという意見が出された。これに対して賛成側からは、議員全体の2.5%の人数で会派を結成することができ、また極右系会派が欧州連合の予算を要求することがこの変更によって困難なものにすることができるという反論がなされた。しかし、改定された規定では既存の少数2会派が存亡の危機に立たされることとなった。
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