製品ラインの発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 04:37 UTC 版)
バロースは様々な機能の加算機を開発し、また徐々に高機能化させていった。画期的な加算機 Sensimatic は、多くのビジネス機能を半自動的に実行でき、例えば元帳をタイプするよう動きをプログラム可能なキャリッジを備え、元帳入力操作の間に9か18か27の試算表を格納し、機械式加算機 Crossfooter を連携動作させることができる。このような高機能加算機を会計機と呼んだ。Sensimatic を発展させたのが Sensitronic で、元帳カードの一部として付属する磁気ストライプに試算表を格納できるようになっている。カードをキャリッジに挿入したとき、この試算表データを読み取って累算器に送る。Sensitronic の後継としてE1000、E2000、E4000、E8000 が続いた。E8000は磁気テープ、パンチカードのリーダーやパンチ機、ラインプリンターをサポートしたコンピュータである。 このころ、加算機よりもタイプライターなど他の事務機器の方が売り上げが大きかった。しかし、最大の転換は1953年のことである。バロース・アッディング・マシンからバロース (Burroughs Corporation) へと社名を変更し、コンピュータ企業へと明確に舵を取った。当初得意としたのは金融業界である。1956年、カリフォルニア工科大学と協力関係にあった化学機器メーカー Consolidated Engineering Corporation からスピンオフしたパサデナの ElectroData を買収。ElectroDataは既に Datatron 205 というコンピュータを開発済みで、後継の Datatron 220 を開発中だった。これによりバロース初の本格的真空管コンピュータ B205 をリリースすることになった。 1950年代、バロースは連邦準備銀行と共同で磁気インク文字認識 (MICR) の開発とコンピュータ処理(特に小切手処理)を手がけた。同社の中型機 B2700/3700/4700 に接続するMICR/OCRソータ/リーダを開発し、金融業に強いコンピュータ企業という評判を確立した。 1960年代後半には端末機 D2000、D4000 シリーズをリリース。これにはタイプボール式のプリンターと磁気ディスクが付属しており、B5500/6500/6700システムの支店端末として金融業界でよく売れ、他社メインフレームともよく接続された。1970年代にはTC500が登場している(TCは Terminal Computer の意)。 国際銀行間通信協会 (SWIFT) が1977年から運用している銀行間ネットワークのバックボーンはバロースが構築したもので、今もユニシスが担当している。
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