補強繊維
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 03:59 UTC 版)
「繊維補強コンクリート」の記事における「補強繊維」の解説
補強繊維としては、鋼(鉄)を削ったり引き伸ばしたりして製造される鋼繊維や、炭素繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、ビニロン繊維などの、比較的強度、弾性率の高い合成繊維がよく使用される。 補強繊維の使用量は目的によって様々である。連続繊維補強コンクリートにおいては、織物状やシート状に成形した連続繊維をコンクリート部材表面に貼り付ける方法が一般的である。そのため、目的とする補強の方向と繊維方向が揃うように貼り付けなければ設計どおりの補強効果を得ることができない。また貼り付ける織物やシートの密度の変更や、枚数の増減などによって、補強の度合いを変えることができる。連続繊維の貼り付けには、一般的にエポキシ系接着剤などが用いられる。一方短繊維補強コンクリートにおいては、製造するコンクリート製品や部材の成形方法に影響を受けるが、原理的に繊維方向が均一になりにくく、全方向の補強が可能である。そのため、特定方向のみの補強では十分でない用途において有効な補強方法である。反面、連続繊維による補強に比べて特定方向への応力に対して補強効率が低いともいえる。短繊維補強コンクリートにおける補強繊維の添加量も、目的によって様々である。一般的には最大3体積%程度が上限とされるが、これは、短繊維を混入量が増加することによってフレッシュコンクリートの流動性が低下していくためである。ただし、ガラス繊維補強セメントや化粧スレートなどのように特殊な製造方法によって3体積%を超える短繊維が添加されている製品も存在する。
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